JWLIボストン・リーダーシップ研修 | DAY9 4つのコミュニケーション・スタイル
*教室からの景色です。ボストン、美しい季節ですが、もうダウンを着たくなるほど寒い!!
大学院の校舎で授業を受けていますが、毎朝ホテルのような朝食とランチがついている、豪華な研修です。今日の朝食はNASAのエンジニアをしている女性と一緒にとりました。大学生の息子さんがいるそう。彼女が属しているチームのミッションは火星にいくことだそう(!)。何人かはもう一度月にいくミッションを持ちたがっているんだけどね、とウィンク。向井千秋さんをよく知っているそうで、人柄がファンタスティックだと言っていました。もし向井さんがこのクラスに来たら、全員を盛り上げ幸せな気持ちにしてくれるような人だそうです。優秀で、かつ人柄も素晴らしい人は、なかなかいないとのこと。
午前中の授業は、カードゲームをしました。数が大きいか、もしくはダイヤのカードが一番強いというルールで、持ち札がなくなるまでカードを出して、1周したときにもっとも強いカードを持っている人が、みんなが出したカードをもらいます。ルールは声を出してはいけない。そして、5つのテーブルがあるのですが、一番負けた人が他のテーブルに移っていきます。
他のテーブルから新たな人が来た時に、ルールをわかっていない人がいました。その後も、他のテーブルから来た人は、ルールがよく分かっていない。もともといたテーブルの人は、ジェスチャーで間違っていることを一生懸命に伝えます。他のテーブルから来た人は、「え!?どうして!?」、と戸惑って、怒り出す人も。
そう、テーブルによって、ルールが違ったのです。でも、そのことを知らされてなかった私たちは、他のテーブルから来た人がなんで変な行動をするんだろう!?と戸惑っていたのです。ルールに対して、人がどう行動するかを学ぶゲームでした。ずっと勝ち続けている人は、同じテーブルに座っているのでずっと同じルールでゲームをします。そして、新たに来た人を自分のルールで進めるよう強制しようとする。他のテーブルから来た人は、自分の知らないルールに戸惑いながらも渋々従う人、従わずに怒り出す人もいました。
どう反応するかは人それぞれでしたが、みんな一致していたのが、同じルールを共有している人同士だと居心地がよいということ。違うルールの人がいると、人は居心地が悪くなるのです。
で、ここからコミュニケーションスタイルの分析の話でした。コミュニケーションのスタイルは人によって違う。それなのに、その違いを理解しないで話を進めると、「どうしてこの人は、おかしな行動をするんだろう!?」と居心地の悪さを感じるのだそう。
授業では、4つのタイプに分ける分析方法を教えてもらいました。軸は、人重視タイプ―タスク重視タイプ、未来志向タイプ―現在志向タイプ。人重視タイプは、人間関係の構築を重視し、仕事と関係ないコミュニケーションをとる。タスク重視タイプは、仕事内容のみにフォーカスすることを好み、仕事と関係ない話を無駄話だと考える。それぞれが望むコミュニケーションをとらないと、ストレスを感じて、本当に伝えたい内容が伝わらないのだそう。伝えたい内容は頭に入らず、「なぜこの人は無駄話をするのだろう」とか、「この人は私のことを嫌いなのかしら?」といったストレスだけにフォーカスされてしまうとのこと。特に人重視の人は、タスク重視の人を冷たく感じ、1日中「何か私は悪いことしたかしら?私のことがいやになったのかしら?」と悩んでしまうことも。スタイルの違いであることを理解したら、こういった無駄なストレスは回避できるという授業でした。
ディーエヌエーの南場さんは、マッキンゼー時代に人を16タイプに分類する研修を受けたときに怒りを感じて研修の途中で荷物をまとめて帰ったそうです。南場さんいわく、「何が気に入らなかったのかというと、人をたった16の引き出しに分類するというのが。一緒に仕事している人ですよ? チームメンバーですよ。」(全文はこちら)。
南場さんのは16タイプと書いてあったので、おそらくMBTIという人の性格を分類したものですが、私が受けたのは全人格ではなく、コミュニケーション・スタイルという人格の一部を分類したものなので、何も怒りも感じず、むしろスタイルの違いがあるということを理解するのに、とても有益だと思いました。
では、学ぶべきことは何か?ということですが、まずはスタイルの違いが存在することを理解する。そして、自分の言いたいことをスムーズに伝える戦略として、相手に合わせたコミュニケーションを使う。また、場合によっては、なぜ自分がそのコミュニケーションのスタイルなのか、理由を示せば、どのタイプでも理解を示しやすいとのこと。
それにしても、先週も別の研修でコミュニケーションのクラスがありました。アメリカは、移民が多く、人種も宗教も違う人が多い。あとは、近年の傾向としては、クロスファンクショナル・チームとして部署を横断した色んな職種を集めたチームを組むことが多いので、コミュニケーションが問題になることが多いのだそう。
日本の場合は、同じコミュニケーション・スタイルをとるよう徹底的に全員をトレーニングする気がします。メールの書き方、会議の進め方、話の進め方など、新たにチームに入ってきた人にルールを教え込み、みんなが同じルールで進められるように徹底する。なので、違いを前提にするカルチャーではなく、違いを徹底的になくすカルチャーかと思いました。同じルールの人ばかりだと、人は居心地をよく感じるので、それはそれで効率的なやり方かもしれませんね。
これが午前中で、午後はビジョンの作り方の勉強。長くなるので、また今度書きます!