JWLIボストン・リーダーシップ研修 | DAY18 NPOの資金調達
*週末にいったハーバード大学の中庭。天気がよくて、気持ちがよかったです!
今週は1週間、チャイルドケアセンターなどのサービスを提供しているNPOであるエリス・メモリアルに来ています。今日は資金調達の方法について教えてもらいました。
CEOのレオさんは資金調達のエキスパートと言われています。レオさんが実施している資金調達の中身と戦略を教えてもらいました。エリスメモリアルの財源は以下3つ。
1)企業、財団
企業や財団には、Grant Proposalというものを提出します。寄付を申し込む提案書のようなもの。オンラインで申し込む場合もあれば、各企業にパワーポイントで提案書を作成することもあるそうです。大事なのは、明確で読みやすいこと。これは、どの業界でもそうですね。ボードメンバーはCEOや役員など企業の中で高いポジションにいる人が多いので、ボードメンバーの勤める企業にも寄付を求めるそうです。そうすることで、ボードメンバーもエリスメモリアルの活動をより自分事化して積極的に参加する効果もあるそうです。あとは、アメリカの場合、企業にボランティア活動をすることを推奨しているので、社員がボランティアに来てもらうような寄付の仕方もあるそうです。例えば、子供たちとTシャツにデコレーションを施すアクティビティに社員が参加して貢献するようです。
2)個人
個人はどういう人に寄付を頼むのかというと、企業からボランティアとしてきた人に頼むのだそうです。やはり、実際に施設にきて子供たちとの思い出のある人だと寄付が多いという話でした。そういう意味でも、ボランティアに来てくれた人をきちんとケアすることが大切だそうです。慣れない人だとポツンと一人で端っこでやることがなかったりする場合もあるそうですが、そうならないよう上手く参加できるようにケアするそうです。あとは、やはりボードメンバーに知り合いに手紙を出してもらったりして、ネットワークを活用するとのことでした。人は知ってる人に対してしか基本的に寄付はしないそうです。人間関係が大事なんですね。
寄付のタイミングとしては、12月と1月が特に額が多くなるとのことでした。サンクス・ギビングやクリスマスがあって幸せな気持ちになると他の人にも幸せを分け与えたくなるからかしら?と笑いながら教えてくれました。
3)イベントの収入
エリスメモリアルでは、アンティーク・ショーというイベントと、オークションのイベントを行っています。アンティークショーは、イベントを企画する企業とパートナーシップを組んで、アンティークシップが集まって買い物をするようなイベントだそうです。オークションは、レッドソックスのチケットや、ロンドン旅行や、関係者の書いた絵など毎年様々なものをオークションにするのだそうです。イベントはコストも多くかかるということですが、今までリーチできなかった新規の人に出会うこともあるそうで、投資という面もあるという話でした。
レオさんが何度も言っていたポイントは、財源を一つに頼らないこと。多様性を持たせて安定させることが大切だと言っていました。
レオさんがクライアントに、いかに寄付が役立っているかプレゼンする動画も見せてもらいました。派手なプレゼンではありませんが、picualizeが大事!と言っていた通り施設の少年の話を詳細に話をされていました。17歳で子供を産んで、収入がなく、各地のシェルターを転々とする家族の話でした。大げさに話すわけでもなく、淡々と事実を話していきます。レオさんにプレゼンの際に意識している点を聞いたら、みんなが話を聞いた後に、頭の中に残像が残るように話すよう気を付けていると教えてくれました。たしかに、頭の中でイメージができると話が忘れられません。
資金調達は、NPOの命綱。エキスパートと言われるレオさんでも、いつも資金繰りが大丈夫か心配になるそうです。そういった困難も乗り越えられるのは、強いビジョンがあってこそ。