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山手線のホームで見た、ちょっといい話

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ある日の午後、山手線のホームで私は電車を待っていました。
見渡すと、違和感のある駅員さんがいることに気が付きました。
 
普通、駅員さんはお客さんの邪魔にならないところに立っていますが、その駅員さんは電車に乗り込む列の一番前に立っていたのです。
 
「この駅員さんも電車に乗るの?」と不思議に思って見ていました。
 
電車がついて、乗客が続々とホームに降りてきました。
その中の1人に、サングラスをかけて、杖をついている目の悪い方人がいたのです。
駅員さんはその人が降りるのを見届けて、スっと離れて別の場所へ移動していきました。
 
駅員さんと目の悪い人は、一言も言葉を交わしていませんでした。
手助けもしないのです。
ただ、何もないか見守っただけ。
 
不思議に思ったのは、どうして声をかけなかったのか?ということ。
 
もし、その目の悪い方が駅員さんに何かサポートを頼んでいたら、駅員さんは声をかけたと思うのです。
でも、駅員さんが声をかけなかったというのは、そうじゃないのだと思いました。
 
だとすると、じゃあ何故この駅員さんは、どのドアから降りてくるのかピンポイントで知っていたのでしょうか?
想像するに、その方が乗車した駅で見かけた駅員さんが次の駅の駅員さんに連絡したのではないかと思うのです。
 
その連携プレー(想像ですけどね)にも感動しましたが、もうひとつ感動したのは、その駅員さんが慣れている動きだったこと。「見届ける」という最低限のことをしたら、スっと自然に立ち去って行くのです。はじめてじゃない動きなのです。
私がそんな光景を見たのが初めてだっただけで、その駅員さんはよくやっていることなのでしょう。
 
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