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言葉を信じるべき?

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その人の発する言葉ってどれだけ信じますか?
私は、言葉よりも、行動や顔の変化の方が本当の心を表しているんじゃないかと思います。そう思ったのは、小・中学校の時にアメリカに住んだ経験から。
 
小学校5年生から3年間、父親の転勤でアメリカに住んでいたことがあります。
ある日、小学生がアメリカに転校する。具体的にそれがどういうことを意味するかというと、アルファベットはMくらいまでしか覚えていないくらい状態で、父に「ナイス・トゥ・ミーチューって言ってニコニコしていれば大丈夫だから」と教えられ、登校初日に学校に送り届けられます。笑顔で握手を求めてくる校長先生に英語だらけの分厚い教科書を渡され、175センチくらいありそうな大柄で絵本の中の魔女のような顔したミセス ドラチェス(本当はすごく優しい先生!)のクラスに毎日通うことになるのです。クマのトレーナーにランドセル背負って通学していた子が、いきなりguess のジーンズにLLBeanのリュック背負っている子たちの仲間入り。今でも登校初日のことは思い出せます。いわゆるカルチャーショックですよね。
 
英語は分からないので、最初はみんなが何を言っているのか全く分かりません。何を言ってるか分からないから、一生懸命にみんなの表情の変化を見ていました。私は目がいいので、ちょっとした表情の変化を見て、その子が考えていること思っていることを読み取っていました。眉間がピクっと動いた=気に食わないことを言われた、とか、顔色がちょっと紅潮した=焦ってる 図星をつかれた、口元がゆるんだ=何か嬉しいor誇らしい などなど。
あとは、ちょっと意地悪なことを思った瞬間に目がキラっと光るとか。とにかく何を言っているか分からないので、ちょっとした動きをとらえて、純粋に顔の表情だけで、その人が考えていること、思っていることを読みとるのです。
 
徐々に英語がわかってくると、混乱することがありました。顔の表情と言っている内容が一致しないことがあるのです。「あれ?この人は言葉と心で思っていることが一致しないじゃないか?」と。本当は喜んでそうなのに、言葉では「大したことじゃないわ!」と可愛くないことを言ったり。そこで、小学生だった私は、人は言葉で言うことと、心で思っていることは違う場合があるのか!と気づいたのです。日本にいる時は、そんな事を意識したことはありませんでした。
 
そして、今思うと、子供でさえ言葉と表情に違いがあるのだから、ましてや、大人はもっと違うのだろうと思います。言葉を重視すると、言葉に惑わされてしまうことも多い。本当はどっちなんだろう?って思う時は、その人の顔・行動をじっと見ていた方が、その人の心が分かるんじゃないかと思うのです。
 
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