オルタナティブ・ブログ > 山田智恵のビジネスアナトミー >

ビジネスや世の中の流れの分析。ときどき手帳の話など。

カールラガーフェルドの勉強方法

»
 
友達が面白いよ、と貸してくれたDVD。1986年制作のシャネルのドキュメンタリー映画をみたことがあります。
おばあちゃんになったシャネル本人に対するインタビューもあり、カールラガーフェルドがシャネルを冷静に分析するシーンも。
 
痩せていて、シワクチャな顔になったシャネルは、インタビュアーの質問にかぶせるように、とても強い口調で惜しみなく回答していきます。ガラガラ声で「ワタシが、モードそのものだったのよっ!!!」って答えるシーンは迫力満点。おばあちゃんになっても、このスピードこの強さで回答するのかと驚きますよ。
 
この映画の中で印象的だったのは、カールラガーフェルドが自分で作ったというスクラップブック。シャネルの過去の作品を集めたスクラップで、キレーイに、本当にキレーイにスクラップしてあります。そのスクラップブックを慣れた手つきでパラパラとページをめくりながら、これは何年のもので、そのデザインがどういうインパクトがあったのかと解説つきで説明していきます。
 
カールラガーフェルドがシャネルのデザイナーに就任したのは1983年なので、映画に出てたのは就任後たった3年目の時なのです。今のような、「シャネルと言えばカールラガーフェルド」という大御所ポジションは確立されていないタイミングでしょう。
勝手に想像するに、カールラガーフェルドはシャネルデザインを勉強するために、コツコツとスクラップブック作って、それを、パラパラと、何度も、色んな環境で、ふわっとした頭で眺めることで、シャネルのデザインを無意識レベルまで落とし込んでいたのではないかと。
 
文章を書くのも、好きな作家の文章を写経するといいという話を聞いたことがありますが、無意識にまで落とし込むには、まぶたの裏にそれが目にうかぶ、とか、考えなくても手が勝手に動く、とか細胞の一つ一つまで染み込ませないといけないのかもしれません。
カールラガーフェルドの場合は、あのスクラップブックだったんじゃないかと想像します。
 
Comment(0)