評価のタイムラグ
「おごれる者も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 」
平家物語の冒頭です。中学生の時に暗記させられた人も多いのではないでしょうか。思い上がった者は長く栄えることはなく、必ず身を滅ぼすときがくるという意味です。要は、人は思いあがってしまうと努力をしなくなったり、物事を見誤ったりする、ということなのだと思います。
もう一段深掘りすると、なんで人は思いあがってしまうのでしょうか?
その理由を考えてみました。まず、思いあがる理由は人から評価されたことが大きく影響します。誰からも評価されてないのに、自分一人で過大評価して思いあがることって、あんまりないですよね。なので、人から大きく評価されることが思いあがるきっかけになるのでしょう。
では、人から大きく評価されるとなぜ思いあがってしまうのでしょうか?
結論から言うと、「評価にはタイムラグが存在するのに、そのタイムラグを分かってないから」だと思います。下の図をみてみてください。
「現在」もらう評価は、「過去」の結果に対する評価の場合が多いと考えます。多くの人は、過去の結果しか評価できないものです。そこまで細かく他人のことを見ていられないからです。「過去」に対する評価を「現在」にされるというタイムラグがあるので、それをさも「現在」の評価のように勘違いしてしまうのではないでしょうか。そのタイムラグを分かっていないと、まるで「現在」が素晴らしいかのように勘違いして、努力をしなくなってしまうのではないかというのが、私の持論です。
世の中はなかなかハードです。優秀な人は多いですし、優秀なうえにみんな努力もする。「現在」を努力しないと、未来は耕せないのだと思います。
まだ評価されていない場合はタイムラグだと思ってふんばり、評価された場合は過去に対する評価だと思ってまた頑張る。