「古い」と「新しい」のハードル
夏休みに米国に住んでいる姪っ子達が一時帰国して、2年ぶりの再開をしました。
束の間の日本を楽しんでいたのですが、10歳と8歳の姪は現代っ子らしくテレビは全く見ずに、ipadで動画をよく見ていました。
いったい何を見ているのだろうと思ってのぞいてみたら、白黒時代のディズニーのアニメを見ていました。
「これ、かなり古いアニメじゃない、見てて面白いの?」と聞いたら、「うん、面白いよ」とのこと。
そして、アニメに飽きたらテイラースィフトのプロモーションビデオを見たり、大人以上に動画検索を使いこなしていて驚いたものです。
その子供たちをみていて思ったのは、コンテンツに対して「古い」という概念や「新しい」概念がないのです。
私が学生時代だった頃はVHSで映画を見ていた世代ですが、カトリーヌドヌーブの映画など昔の映画も見ていました。しかし、ビデオ屋さんの「クラッシック映画」コーナーに置いてありましたし、観る側もなんというか「昔の映画」として見ていました。
その頃は、新しいものと、古いものに対する区別がもっとあったように感じます。
それはリアルの店舗だったからでしょう。陳列するスペースが限られているので、新しいものを多く陳列しないといけない。
また、探しやすくするために、新しいものと古いものを分けて置く必要があったのだと思います。
ネットの世界はスペースの制限はありません。そうすると、古いも新しいもなく、本当に価値のあるものだけが、常にフワっと浮いてくる世の中になっているのではないでしょうか。
コンテンツの世界だけでなく、モノの世界でもこういう動きがあるように思います。 例えば、アメリカのSinger Vehicle Designという会社があります。
今と違ったデザインの古いポルシェをリメイクして売っている会社で、最新のポルシェよりも高い値段で売っています。
http://singervehicledesign.com/
これは中古を再利用するというエコ観点でも、値段が安いから中古にしたという考えでもなく、ただ「いいモノ」を選んだら古いものだったという流れの一つのようも思います。
そこには、「新しい」「古い」という対立のハードルが限りなく低いのではないでしょうか。「新しい」という理由だけでは、「古い」ものに勝てないのだと思います。
本当に「いいモノ」だけが残る時代になっているのですね。
*姪っ子達ですが、2年間の間にビックリするほど成長していて、子供時代って一瞬だけ現れる妖精のようだなと思いました。10年間だけ出現する妖精って感じ。