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『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(ほんのりネタバレ感想文)

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映画『バードマン』、よくわからないとか長いとか言われているので恐る恐る見たのですが、しごくまっとうでおもしろかったです。例の「長回しっぽい撮影方法」とかを意識しなくても。

オープニングのかっこいいドラムで、一瞬自分は間違えて『セッション』を見に来ちゃったかと思いましたよ(予習していなかったんですがアントニオ・サンチェスでした。最後の方で数秒間映るのは多分本人)。

ブロードウェイの匂いがしてきそうで(ってニューヨークには2回しか行ったことないけど)、監督はメキシコの人ですがハリウッドVSブロードウェイ的なところもあるお話(だと思う)。

私が一番印象に残ったのは、青白い炎のように冷徹な舞台批評家のタビサさん(演じるのは英女優のリンゼイ・ダンカン)と主役の元ハリウッドスター、リーガンのバーでの会話のシーン。

「あんたたち批評家はノーリスクでくだらない文章を書いてるが、俺はこの舞台にすべてを賭けてるんだ」と食って掛かるリーガンに静かに「それだけ?」と言うタビサさんかっくいい。

ここからちょっとネタバレですが、

真剣な舞台人たちを愛しているタビサさんは落ちぶれたハリウッドスターの売名のための舞台という構図に我慢がならないので、リーガンに「私の批評であなたの舞台は初日で打ち切りよ」と言いますが、ちゃんと初日の舞台を最後まで見ます(一瞬後ろ姿が映ります)。映画のサブタイトル「無知がもたらす予期せぬ奇跡」というのは、タビサさんの劇評のタイトル。劇評全部読みたくなっちゃう。

トレーラーで特撮モノかと思って見に行くと???かもしれませんが、映画や舞台が好きな人なら楽しめます。

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