米国で花開くスマートホーム、本気度が日本とは大違いのIOTトレンド
ホームデポの店頭の風景
ドアの鍵(スマートキー)はオーガストから買いましょう
<出所:ギガオム>
■米国で市場が立ち上がるスマートホーム
2014年、米国の夏の季節にスマートホームの市場が立ち上がり始めています。その鍵はスマート家電の商品とサービス販売の店舗展開にあります。アップルはホームキットを発表し、秋からアップルストアで他社の開発した関連商品を販売します。またグーグルは先行するネストラボを買収しています。ネストラボには家電メーカーから数千のパートナー要請が来ているそうです。そしてGEはクワーキーのWinkアプリでスマートホームを実現します。これも他社製品とのアライアンス戦略です。
Home Depotは既にレボルブ(アプリ)を中心としたアライアンス製品を全米2000の店舗で販売しています。次はGEのクワーキーのWinkアプリ関連の製品がHome Depotで新たな棚を作ります。文具チェーン店のステープルは独自規格で同じことを始めました。
またマイクロソフトはAllSeen Allianceに加わり、同時にInsteonとのアライアンスを発表しています。Microsoft storesにおいてInsteonのスマートホームのInsteon gear(機器)やサービスと外部操作可能な同社のLED電球やカメラなど5種類の製品(Leak Sensor, Open/Close Sensor, LED Bulb, On/Off Module and Wireless Wi-Fi Camera)をマイクロソフトの店舗で販売しています。また同社(Insteon)のStarter Kit、 Home Kit と Business Kitを提供しています。ウインドウズフォンとの連携と言うのが寂しいですが。
グーグルとサムスンら8社はスレッドと呼ばれる低消費電力のWi-Fiに代る家庭内規格を発表しています。サムスンはスマートシングズと買収交渉中と報じられています。
家電量販店トップのBest BuyもBest Buyも iControlとタイアップしてハブ製品を含む多数の製品を早晩、取り扱い始めると見られています。無論、アマゾンも強い興味を示しています。
GEもLGもスマート家電製品の販売に熱心です。フィリップスのネットサービス型コーヒーポットやワ―ルプルーフのネットサービス型洗濯機も注目されています。
■ さまざまなプレイヤー
1、 古くからスマートホームに出ていた通信キャリア、CATV、建築やセキュリティ企業
筆者も2年ほど前にスマートホームを調査した際、一番熱心だったのはセキュリティ企業、建築企業、そしてクアッドプレイの拡大を狙う通信キャリアでした。(ベライゾンやコムキャストなど)
彼らの興味はセキュリティ(センサーによる監視、子供の帰宅のカメラ確認、ペットの様子確認、旅行中の自宅安全や芝の水やりなど)月次支払いの継続サービス提供です。この点はアップル等と比較して一日の長があります。
コムキャストとTime Warner Cableの intelligent home serviceやAT&Tのサービスなどがあります。ベライゾンも早くから始めていました。
2、 大手家電メーカー
サムスン電子やLG電子の韓国勢、GE、フィリップス、ハイアールなどが熱心です。
3、 スタートアップ企業
グーグルに買収されたネストラボやサムスンが買収交渉中のSmartThings 、ホームデポに進出したRevolv.などがあります。iControlも有名です。ゾノフの名前も挙がっています。
更に多数のスタートアップ企業が様々なインターネットサービス型家電製品(スマート製品)を開発しています。
各社クラウドファンデイング(インディゴーゴーやキックスターターなど)を上手く使って資金を集めています。
4、 大手量販店
ホームデポ、ステイプルズ、アップルストア、ベストバイなどが挙げられます。
5、 テック巨大企業
グーグルのネストラボ、アップル、マイクロソフトが動き出しており、更にアマゾンも出るでしょう。
6、 住宅産業
住宅産業は新規の戸建てにはスマートホームを設定する動きです。それが売り文句です。スマートホームサービスのiControl やZonoffと提携しています。
■ 突然の標準化論争
当然、米国の消費者も特定メーカーから全ての家電製品を買う事はしない為、様々なサービス(50社程度)の提供する様々な規格(Wi-Fi, ZigBee, Thread or Bluetooth specs.)をどうするのかが議論になっています。
■ 国内のIOTブームはウエアラブルとM2Mだけ
国内でIOTブームになっているのはスマートフォンの次と見られているウエアラブル関係(実態のない期待先行のブーム)と割と古くから試みられているM2Mだけです。しかし市場としてはウエアラブル関係は、まだまだこれからです。
国内でも2年ほど前、パナソニックさんやシャープさんなどがスマート住宅を掲げて市場を立ち上げようとしましたが、尻すぼみに終わっています。これは米国のようなスタートアップ企業(サービス作りやモノ作り)の動きが無いのが原因です。米国ではこれにキックスターターなどのクラウドファンディングが関連します。IOTの国内の動きにスマートホームが欠落しているのが残念です。
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サムスンに買われるのか・・・ホームサービスのスマートシングズ
<出所:テッククランチ>
住宅を建てるにはWiFiなんかもう古い・・・スマートホームのサービスが無いと・・・
<出所:ギガオム>
おっと通信キャリアのベライゾン忘れちゃ困るよ!!
<出所:ベライゾン>
やっぱりアップルでしょ?
<出所:ビジネスインサイダー>
★★ There are many paths to a smart home. And that’s the problem.
★★ Revolv, but no Wink hubs at my Home Depot
★★ iControl Networks Acquires Blacksumac, The Company Behind The Piper Home Monitoring Device
★★Microsoft and Insteon team up with a retail smart home push