スマート革命の特徴、スマート機器はユーザーの友達!!
<序文>
ポストパソコン時代が進むと2015年には一人七台のスマート機器を使い分けるようになるとベライゾンコミュニケーションは予測しています。それに合わせて1)新しいイノベーションの形(事業モデル)と2)新しい個人コンピューティングの形が出現します。
今回は新しい個人コンピューティングの形を特徴つけるユーザーインターフェースを取り上げます。従来のパソコン+ブラウザー+Webサービス時代には、生活者は「テキスト入力でパソコンと会話」していました。しかしスマート革命時代には機器と生活者のインターフェースは大きく変わります。一言で言えばスマート機器はユーザーの友達になると考えられています。米国MITの有名な社会心理学者であるシャリー・タークルは著書「Alone Together」の中でスマート機器と生活者のやり取りの変化を研究し、そこで観察されたユーザーインターフェースのあり方をソーシャルロボットと呼びました。
★★Alone Together [Hardcover]
<サービス支配論理と友達型インターフェース>
従来、機器とユーザーとの相互のやり取りの研究は「マンーマシン・インターフェース」とよばれ、そこにはソーシャル要素や擬人法などのヒューマン要素は皆無でした。しかしパソコン時代のインターフェースはあまりにもIT屋さん視点に偏ったものであり、ボタン一つで動くテレビなどと比べて操作が困難過ぎると言う批判は昔からありました。そこでスマート革命を先頭にたって推進するアップルなどは、情報家電のあり方を研究する中でユーザーインターフェースに関して、タッチ操作や音声操作などを積極的に取り入れました。スマート機器、即ち情報家電のインターフェースは「機器が人の友達になる位、易しい、優しいものでなければ駄目」と言う訳です。
そのアプローチの差は未だに玩具と呼ばれている第二世代のアップルテレビ(セットトップボックス型)と初代グーグルテレビがほぼ同じ時期に発売された2010年に明確になりました。まるでパソコンの用にキーボードからタイプするグーグルテレビはほとんど売れず負け組みとなり、一方iPhoneやiPadなどとのエアープレイミラーを提案した操作性に優れたアップルテレビは3ヶ月で約百四十万台売れました。
更にアップルは音声操作の「シリ」をiPhoneに提供し、スマートフォンは生活者の友達になりました。同じことをゲーム機の再発明を急ぐマイクロソフトもxbox360にゼスチャーと音声操作ができるキネクトを追加して大成功を収めています。
友達型のユーザーインターフェースはサービス支配論理の下では一種のサービスと考えられています。
<ドラマ「ナイトライダー」の夢の実現>
1980年代に国内でもテレビ朝日が放映したドラマ「ナイトライダー」の夢がスマート革命により実現されようとしています。
人工知能の塊であるドリームカーの「キット」(あの開発用のキットを意味します。)と運転手のマイケルとが楽しく会話しながら事件を解決すると言った筋書きでドラマは進みます。
ナイトライダーの画像
そして自動車がガソリンから電気自動車へと変化する端境期に当たって、スマートカーにもWiFiネットワークの根と茎が生えて、各種のサービスをクラウドから持って来る時代になっています。車のナビゲーションや娯楽は外部からサービスとして提供されます。
両手をハンドル操作に奪われた運転者は各種のサービス操作を音声で実施する時代が来ています。そうなればまるで車は人の友達のように感じられます。
日本家電が須らく負け組みに陥る中、センスの良いトヨタは「トヨタフレンド」のサービスをPHVなどのプリウス向けに開始しています。ドライバーが「プリ君」(プリウス)に友達申請して会話をする訳です。「プリ君」は電池切れや最適な充電時間帯をドライバーに教えてくれます。非常に残念なのは「プリ君」が話さない点ですが、早晩、「プリ君」には会話力が付加されるでしょう。
筆者も昨年来、散々セミナーでスマート機器と生活者が友達と言う話をしてきました。面白いことに皆さん「ああ、あのアイロボットのようになるのね」と仰います。シャープが関西弁を話す自動掃除機を出したときにはちょっと驚きましたが、自動ロボットは可愛いので早晩、日本の家庭からペットの数が減ると思うのですが如何でしょうか。
★★ 「クルマはモバイルデバイスになりつつある」──クルマがつぶやくSNS「トヨタフレンド」の狙い
<引用元:itmedia>
★★シャープ、会話ができるロボット掃除機「COCOROBO」
以下はアイロボット社のルンバ