さまざまなプロの仕事に触れると自分の仕事意識も変わる
うちのアパートにはCATVが入っています。入居当初は興味がなかったものの、ここ半年はCATVを利用してCS放送を視聴するようになりました。特に「ディスカバリーチャンネル」「ナショナルジオグラフィックチャンネル」「ヒストリーチャンネル」の3大ドキュメンタリー系チャンネルを観るのが楽しいです。
その中でも、クラシックカーのレストアをする番組が大好きです。自動車の仕組みや海外製の自動車のブランドに関する知識はほとんど無い僕ですが、それでも観ていて楽しいです。
- レストアする自動車を探し、買い取るための価格交渉をする
- 転売するために、どこをどうレストアするかを調べ、部品の調達などをしてレストア作業をする
- 生まれ変わった自動車を再度売りに出し、売るための価格交渉をする
自動車のレストアの番組の、主な流れは上記のような感じです。安く自動車を仕入れ、レストアをすることで付加価値をつけ、それを高額で売り儲けを得ることが目的です。しかし、当然、お金をかければかけるほど儲けは無くなります。自分たちで修理するか、より専門家なところへ修理に出すか。中古パーツにするか新品パーツにするか。などなど、お金をかけるところ、かけないところを考えながら修理しなくてはならないわけです。技術的な面もマネジメント的な面も、勉強になります。
このような番組をひとりで観ることもありますが、いつもは妻と一緒に観ながら、ああでもないこうでもないと番組の内容を話しています。僕の妻は僕よりも芸術や文化への知識が広く、自動車のことも良く知っているので番組を観ながら色々と教えてくれます。こういった番組だけでなく、独身の頃はあまり行かなかったクラシック音楽のコンサートや美術展に妻と一緒に出かけ、作品を楽しむようになったのですが、最初のうちは芸術なんて全然わからなかった僕に妻は色々と教えてくれるので、僕なりに作品の楽しみ方が身についたような気がしています(その作品が作られた時代や作者の背景を知る、など)。
こうして、プロが作ったアート作品やクラシック音楽、見事に再生されたクラシックカーのレストアの様子を観ているうちに、自分の仕事に対する態度や価値観が変わったように思います。今まで以上に、より「ITでご飯を食べている人間(プロ)として、どうやって仕事をしていくか」という面を考えて仕事をするようになりました。ITと全く関係のない分野のものに触れているのに、です。(もちろん、以前まで仕事は適当にやっていた、ということではないですが。)
こういった芸術やプロの仕事に興味のなかった時期は、それこそ「こういうのを観て何になるんだ」といったように精神的に尖っていた気がしますが、今は、こうしてさまざまなプロの仕事に触れ、その仕事(作品)の意味を知り、楽しむことで、全く関係ない自分の仕事にも良い影響を与えるから、どんどんプロの仕事に触れるべきだと思っています。別に、芸術やドキュメンタリーばかりでなくても、「それぞれの人がプロとしてどういう仕事をしているか」という観点で観るのであれば、ドラマやお笑い、プロ野球中継などでも良いのではないかと個人的には思っています。
とはいえ、一番はプロの仕事を生で観ることでしょうか。この記事を書いている今も、いついつにどこどこの展覧会を妻と観に行くという予定があります。皆様もお時間ありましたら、ぜひ、美術館などで作品に触れて楽しんでみては如何でしょうか。