業務指令・夏休みコンサート
暫く、ステージマネージャとはどんな仕事なのか? を中心に進めて行きます。
宜しくお付き合い下さいませ。
何しろ「何でも屋」に近い部分が大きいので、具体例を書いていくのが一番想像し易いと思います。
結局現場監督なので、その場で起きる突発事項に対処する度胸と色々な立場の人と話す愛嬌と事前の準備や備えを入念にしておく段取り力や慎重さが必要です。
こういう処は、プロジェクトマネージャの方とそう変わらないのではないかと思います。
私には無いものなので、勢い苦労します。
また、仕切るマネージャやオーケストラや主催によってかなり仕事の流れも価値観も変わります。
私が書くのは、私の経験上の話ですので、あくまでも一例でしかありません。
私が一番仕事をすることが多いオーケストラでは、毎年この時期には主に子供向けの「夏休みコンサート」のシーズンになります。
子供向けと行っても、親子のみならず一家総出であったり、若いカップルさんだったり客層は色々です。
プログラムは、通常の演奏会と違います。親しみやすく・楽しめて・飽きない企画が求められます。
というわけで、今年は
一部...名曲コンサート
休憩
二部...バレエ (抜粋)
三部...みんなで歌おう
という感じでした。
一部から三部まで、ナレーションのお姉さんが、曲の解説や歌のリードやお話をします。
そんな一日を追ってみます。
08:30 搬入開始
大型楽器が多いのと、バレエ団やナヴィゲータのお姉さんと指揮者の衣装、リノリウム、照明、音響、物販の品々があるので、通常の楽器車の他に 4t トラックがもう一台。
ステージへの仕込みも、通常のセッティング以外にリノリウム (業者さん) や照明 (業者さん) があるので、こちらが勝手に作って...というわけにはいきません。
色々な人達が力を合わせて舞台を作ります。
09:30 頃 ステージ設営終了
オーケストラの楽員やバレエのダンサー達が来た人から舞台で音出ししたり。ホールが毎日違うので、前日と演奏するスペースも音響も違います。
個人個人から要望を聞くことが増える時間でもあります。
10:10 バレエの場当たり
先の楽員の音出しと同じく、会場が毎日違う中で踊るスペースも変わったりキャストがかわったりするので、ダンサーも場当たり。
間違って袖に人が入ってこない様チェックする時間です。ダンサーが袖に下がる時にそのまま走り込んで来るので、不用意に人がいると危険なのです。楽器が破損なんてことになったら目も当てられません。
場当たりが終わったら、舞台が使える様になるので、また音出しの時間に。
朝と昼の二回公演の日は、ゲネプロ (ゲネラル・プローべ = 総練習。ステージ・リハーサルとほぼ同義?) が無いので、ここで譜面灯のチェックや演奏の妨げになりそうな事項の確認が必要です。
11:00 午前の公演開始
曲の合間の演奏者の出入りのキュー出しや扉の開け閉めなどなど。
11:30 頃 休憩
この間に、第二部で使う譜面灯を点灯 (バレエの照明演出で暗転があったりかなり暗くなったりする為。第三部で演奏者自身で消灯)、転換等を。
11:45 頃 後半開始
第二部で扉が開けっ放しになるので袖も暗転。
舞台に漏れない灯りの確保や場所によっては、袖への人の出入りの監視。
第二部のバレエが終わったら、前半と同じく演奏者の出入りのお手伝い。
12:45 頃 午前の公演終了
お客様がはけたら、譜面灯の電池の入れ替えや転換、その他の対応。
13:30 ウェルカムコンサート
...がロビーであり、かつコントラバス等大型楽器が動く場合は運搬ないし補助につきます。
14:00 午後の公演開始
流れは午前の公演とほぼ一緒です。
15:45 頃 公演終了
お客様がはけたら、撤収開始です。
朝作った舞台を解体し、トラックから出したものを積み込みます。
作業自体は搬入より早いのですが、懇親会やサイン会等がある為に物販の荷物の荷造りが遅くなるので、長い待ち時間が生じます。
17:15 頃 撤収完了
お疲れ様でした...。
とこんな流れです。
イメージわきますでしょうか?
次回は、シーズンに関係ない場面をご案内してみたいと思います。