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【お知らせ】ビッグデータイベント”Strata Conference New York”ツアーが開催されます。

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お知らせです。来る10月28日(月)~30日(水)に米ニューヨークで開催されるビッグデータ系イベント"Strata Conference New York 2013"への視察ツアーが開催されます。公式ページは以下の通りです:

世界最大級のビッグデータイベントO‘Reilly Strata参加&著名データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」ニューヨーク視察ツアー

Strata Conferenceと言えばご存知の方も多いと思いますが、技術書でお馴染みオライリー社が開催しているビッグデータ系イベント。毎年2月にサンタクララで開催されているのがメインですが、最近は派生イベントが多数開かれるようになっており、今回のニューヨーク開催もそのひとつ。またビッグデータというか「データ分析」がテーマではあるものの、セキュリティやプライバシー、ウェアラブルコンピュータやQuantified Selfなど、多彩なトピックでセッションが開かれるのも魅力のひとつです(ちなみに今回のプログラムはこんな感じ)。

またタイトルからお分かりだと思いますが、今年翻訳させていただいた『データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」』に関連して、著者のディミトリ・マークス氏による特別講義も開催されます。しかもNYのオグルヴィ・アンド・メイザー本社にお邪魔して、オグルヴィのデータ分析部門のトップであるトッド・カレン氏による講義もあるという盛りだくさんの内容。3日間のイベントを4泊6日で見てくるという、若干強行軍のツアーなのですが、ご興味のある方はぜひご検討下さいませ。

データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」    ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」 ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ
ディミトリ・マークス ポール・ブラウン 馬渕邦美

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ちなみにいくつかオススメのセッションを選んでみましたので、どんな話が聞けるんだろう?と悩まれている方は、以下を参考にして頂ければ幸いです(解説はすべて公式サイトの説明文を参考にしたものですので、当日の内容と異なっていたらご容赦下さい)。

10月28日(月)

9:00am - 5:00pm: Data Driven Business Day

 「ビッグデータや最新のIT技術を活用して、いかにビジネス課題を解決するか」をテーマにした、一日がかりのセッション。20~30分ほどのミニ・セッションが立て続けに行われるという形式になっています。登壇されるスピーカーの顔ぶれも多彩。例えばモトローラ・ソリューションズのMichael Cote氏による「顧客経験価値の改善:最適なメッセージを、最適なタイミングで」(2:20pm)、メットライフのGary Hoberman氏による「メットライフのビッグデータ対応」(4:30pm)など、興味深いテーマが満載です。

10月29日(火)

10:00am: Open Health: The Power of Data for Patients and Those Who Serve Them

l スピーカー/所属:Tim Kelsey (NHS)

l 内容:医療現場におけるデータ活用事例。患者や現場担当者との情報共有を通じて、NHS(National Health Service、英国の国民保険サービス)がどのような価値を実現してきたかが解説されます。

11:00am: Data Design for Chicago Energy

l スピーカー/所属:Aaron Wolf (Datascope Analytics), Burton Rast (IDEO)

l 内容:いまDatascope Analytics社とIDEO社の共同プロジェクトとして、米シカゴ市におけるガス・電気使用量データのビジュアル化が行われているそうです(プロトタイプがネット上で公開されています: http://chicagoenergy.datascopeanalytics.com/ )。どのような思想の下でデザインが行われたのか、またどのようなプロセスでプロジェクトが進められているのかが解説されます。

11:50am: Drought Prediction and Ecological Monitoring with the Internet of Things

l スピーカー/所属:Adam Wolf (Princeton University), Kelly Caylor (Princeton University)

l 内容:プリンストン大学の研究チームは、食糧安全保障の観点からの干ばつ予測、気候変動による森林・穀物への影響把握などの取り組みを行っているそうです。そのために彼らは、データを自動で収集、インターネットを通じて集約する仕組みを作り上げたとのこと。このセッションではその全体像と、データ活用の内容が紹介されます。

1:45pm: The Big Data Doctor Is In

l スピーカー/所属:Bill Schmarzo (EMC Consulting), John Akred (Silicon Valley Data Science), Ron Bodkin (Think Big Analytics), Anand Raman (Impetus Technologies, Inc.)

l 内容:客席との対話によるインタラクティブなセッション。パネルディスカッション+QAセッションという形で、企業内でビッグデータを活用する際の問題点・アドバイスについて議論されるそうです。モデレーターを務めるのはEMCコンサルティングのBill Schmarzo氏。

2:35pm: How to Avoid Some Different Graphical Mistakes

l スピーカー/所属:Naomi Robbins (NBR)

l 内容:データ分析の結果を誰もが理解できる形に整える際、欠かすことができないのがグラフの存在です。しかしグラフの善し悪しで、理解度が大きく左右されるばかりか、意図せぬ誤解を与えてしまうことも少なくありません。このセッションでは、グラフ化の際にどのようなミスが発生するか、それをどうやって回避するかが解説されます。

4:15pm: Every Soldier is a Sensor: Countering Corruption in Afghanistan

l スピーカー/所属:Amy Gaskins (TPGS)

l 内容:アフガニスタン・カンダハールに派遣された第43支援旅団。彼らは派兵の「費用対効果」を見極めるため、非常にユニークな方法でデータ収集を行ったそうです。その方法とは、「兵士のセンサー化」。兵士たちをトレーニングし、現地での作戦行動中に平行して様々なデータを集めさせ、それを分析することで大きな効果を上げたそうです。スピーカーのAmy Gaskins氏は、旅団のアドバイザーとして、このプログラムの開発を行った人物とのこと。

5:05pm: Information Revolution In Government

l スピーカー/所属:James Stewart (Government Digital Service), James Abley (Government Digital Service)

l 内容:英国政府が2012年に発表した新ポータルサイト”GOV.UK”。その裏側では、組織間の壁を越え、データ共有・活用の標準化を実現するための困難な取り組みがあったそうです。「データドリブン・ガバメント」の実現に向けてどのような課題をクリアしていったのか、政府に限らず、大組織にとっても参考となるアドバイスが解説されるそうです。

10月30日(水)

11:00am: Four Pillars of Visualization

l スピーカー/所属:Noah Iliinsky (IBM)

l 内容:データのビジュアル化を効果的に行うためには何が必要なのか?このセッションではそのカギを「目的」「コンテンツ」「構造」「フォーマット」の4つの柱に整理し、それぞれ解説を行うとのこと。

11:50am: Building More Productive Data Science and Analytics Workflows

l スピーカー/所属:Wes McKinney (DataPad Inc.)

l 内容:今日のデータ分析担当者は、データ量の爆発に対応するだけでなく、データ収集・処理・分析に関連するツール類の多様化にも対応しなければなりません。またデータ収集から分析結果ビジュアル化まで、分析プロセスの全体にも気を配る必要があります。このセッションでは、「データ分析ワークフロー」の最適化について解説が行われます。

1:45pm: Turkers Mapping Africa

l スピーカー/所属:Lyndon Estes (Princeton University)

l 内容:スピーカーのLyndon Estes氏は、プリンストン大学でアフリカの農地調査プロジェクトに携わる人物。食糧問題の解決のため、クラウドソーシングを活用し、アフリカ大陸における農地の正確な地図の作成に取り組まれているそうです。このセッションでは、プロジェクトがどのように運営されているか、クラウドソーシングから収集されたデータの分析までがどのように進められているかが解説されます。

2:35pm: How to Get Statistics Right in AB Testing: The Short Answer (With Proof from Four Years of Fundraising Data from Wikipedia)

l スピーカー/所属:Zack Exley (Wikimedia Foundation), Sahar Massachi (Independent)

l 内容:複数の選択肢をテストすることで、最適解を効率的に見出すことのできるA/Bテスト。このセッションでは、ウィキペディア財団の中で取り組まれてきたA/Bテストを事例に、実際のテストの進め方から組織運営に至るまで、A/Bテスト活用の全体像が解説されます。

4:10pm: Sparking Global Business Transformation with Big Data

l スピーカー/所属:David Thompson (Western Union)

l 内容:金融・通信業を手がけるグローバル企業、ウエスタンユニオン。このセッションでは、そのウエスタンユニオン社を事例に、巨大なグローバル企業の中でビッグデータをどのように活用するか、既存のプラットフォームとの整合性をどのように取るか、顧客のプライバシーをどう守るかといったトピックが議論されます。

5:00pm: Data Science of Love

l スピーカー/所属:Vaclav Petricek (eHarmony)

l 内容:米国の結婚相手紹介サイト、eHarmony。彼らは膨大なデータと高度なアルゴリズムを駆使して、利用者に「相性の良い候補」を紹介しています。彼らがどのようなデータ分析をしているのか、システムや運用体制はどうなっているのかが解説されます。

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