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New York Times紙、グルーポン型ビジネスへ参入

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昨日の「Facebook上のみで活動する地域ニュースサイトが登場した」という記事の中で、自社サイトがあるからといって必ずしも広告モデル・課金モデルを上手く回せるとは限らない状況になっていることに触れたばかりですが、ちょうどこんなニュースがありました。あのNew York Times紙が、収益確保のためグルーポン型ビジネスへ参入するそうです:

New York Times Launching Groupon-Like Daily Deals Service (Mashable)

ごく短い記事ですが、同紙が"TimesLimited"というサービスを立ち上げたことを報じるもの。このサービスはメールを通じて時間限定・数量限定のセールに関するお知らせを受け取れるというもので、特に高額商品にフォーカスしているとのこと。サイトは立ち上がっていますが、実際にメールが配信されるのは今月末になってからのようです。

TimesLimited

こちらが"TimesLimited"のスクリーンショット。グレーを基調としていて、確かに高級感があります。ただし現時点でできることは、メールアドレスを入力して購読登録をすることのみ。あとは簡単にサービス説明が書かれているだけで、特にクリックできるようなところはありません。

果たしてこのサービスが上手く行くのか。別にNew York Times紙もこれ一本で収益低下の穴埋めをしようとは考えていないのかもしれませんが、関係者がこんなコメントをしています:

NYT Gets Deeper Into The ‘Daily Deals’ Space With TimesLimited (paidContent)

The NYT had considered going the route that other newspaper companies like Tribune, McClatchy (NYSE: MNI) and Media General (NYSE: MEG) have gone in by partnering with Groupon. “We looked at partner options when we began looking at the space a few months ago,” Warren said. “But we realized that we have the assets, the consumer reach and the relationships with the advertisers to do this on our own.”

Tribune、McClatchy、Media Generalといった新聞がグルーポンと提携しているが、New York Timesも同じ道を進むことを検討していた。Warren氏(※NYTメディアグループおよびNYTimes.comの広告責任者)は次のように語っている。「数ヶ月前、この分野に参入することを検討していた際、他社と提携するという選択肢も考えていた。しかし私たちにはこれまでの資産や読者との接点、広告主との関係があり、私たち自身で行えると気付いたのです。」

とのこと。極論すれば自社サイトを持っていることというのは収益確保のための絶対条件ではなく、むしろ魅力的なコミュニティを築き上げられるのかどうか、そしてそのコミュニティから売上を得るモデルを構築できるのかどうかの方が重要なのかもしれません(他にも「紙」という媒体を持っていることという大きな要素を考える必要がありますが)。

"TimesLimited"が成功するかどうかは別にして、今回の話と昨日の「Facebookに完全移行するニュースサイトが登場した」という話は、従来のモデルから大きく逸脱するという冒険を犯さなければならないほど、環境が変化したことを示していると言えるでしょう。ただ個人的には、それが可能なほど自由な時代になっているのだ、という肯定的な意味にも捉えたいところですが。

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