「働きたい会社ベスト100」の従業員たちは、自社をどう語っている?
最近ハードな話題が多かったので、ちょっと息抜き的に。
米Fortune誌が毎年発表している「最も働きたい会社ベスト100(100 Best Companies to Work for)」。2011年度版が既に発表されているのですが、アンケートを通じて得られた従業員のコメントを分析・整理し、簡単に確認できるようにされたインタラクティブ・チャートが公開されています:
■ Best Companies to Work For data visualization: What employees say (Fortune on CNNMoney.com)
こちらがそのスクリーンショット。チャートは2種類に分かれていて、右側(赤)が全アンケート中の頻出単語を分析できるパート、左側(青)が同じ分析を企業単位(ベスト25以内に入ったもののみ)で行えるパートとなります。
まず右側ですが、言うなれば現在企業で働く人々が、どのような価値に重きを置いているのかが示されているというわけですね。第1位に「人々(people)」が選ばれているというのは、給与や福利厚生という点だけでなく、どのような上司や同僚がいるのかという点が重視されている表れだと言えるでしょう。
ランキング内の単語、もしくはチャート内の赤丸をクリックすることによって、実際のアンケート中でどんなコメントがあったのかを確認することができます。例えば"family"をクリックしてみるとこんな感じ:
こんな感じ。スクロールが自動で行われてしまうので、ちょっと読みづらいのですが……。
で、より面白いのは左側の企業単位で分析した内容。例えば第1位に選ばれたSASをクリックしてみると:
このように、選択した企業に関する頻出単語を確認することができます。SASで多い(赤丸が大きく表示されている)単語は"care"や"family"といったところでしょうか。この画面でさらに単語をクリックすると、先ほどと同様、実際の文章を読むことが可能:
ちなみに上のスクリーンショットは"family"をクリックしたところですが、「SASは従業員の家族のことも支えてくれる会社です」などといったコメントが並んでいます。素晴らしい。
では他の企業ではどうでしょうか?第4位のGoogleを選んでみると:
"people"という単語が目立つのに加えて、SASでは見られなかった"free"や"food"といった単語が大きく表示されていますね。なかなか象徴的な光景かもしれません。
それでは上のスクリーンショットは、どの会社のものでしょうか?背景にうっすらと表示されているのでお分かりかと思いますが、実は第6位に選ばれたZappos(ザッポス)のもの。ユニークな顧客ケアで一躍有名になったZapposですが、やはりと言うべきか"culture"や"fun"といった言葉が目立ちます。こちらもやはり、象徴的な光景と言えるのではないでしょうか。
ということで、当たり前の結論になってしまいますが、一口で「働くのに良い会社(best companies to work for)」と言っても、そのスタイルには様々なものがあり得ると。今年も厳しい就職戦線が続いているようですが、就職/転職活動をしている方々は、選択肢が少ない中でもできる限り「自分が求める価値」を提供してくれる企業を見極めていって欲しいと思います。
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