世界中のおばあちゃんに、お話を聞こう
これは思わず応援したくなるアイデアかも。世界中の子供たちが年長者や家族にインタビューを行い、それを Google Maps 上で公開しようというプロジェクトです:
■ GoogleとOLPC、UNICEFが世界の「子供たちが聞いた話」保存プロジェクト (ITmedia News)
国連児童基金(UNICEF)、One Laptop per Child (OLPC)、そして Google が12月7日にオープンしたサイト"Our Stories"について。「子供たちが周囲の人々にインタビューを行い、現地語で記録した話」が、お馴染みの Google Maps 上にプロットされていて、クリックすると音声ファイルが再生できるようになっています。中にはお話だけでなく、以下のように「歌」が収録されているものも:
こうして衛星写真モードにすると、実際にウガンダを訪れて歌を聴かせてもらっているような……と言うと感傷的すぎるかもしれませんが、このプロジェクトがなければ決して聞くことができなかった歌でしょう。もしかしたら、何十年後かにこのデータが重要な研究資料となっているかもしれません。
以前も書いたことがあったように思いますが、僕は祖母が若かったころの話をもっと聞いておけばよかった、と思うことがあります。このブログを始めるときも、こんな文章を書きました:
このニュースを聞いて想像したのは、うちのおばあちゃんがブログを書いたら?ということ。彼女は東京・上野の出身で、若い頃はお針子として新宿で働いていたそうです(今でも花園神社の辺りをよく覚えているとのこと)。現代に置き換えれば、大都会のアパレル業界(?)で働く花形クリエイターといったところ。その当時の思い出や、戦争の話、戦闘機のパイロットだったという彼女の夫(つまり僕のおじいちゃん)の思い出などがブログという形で残ったら、さぞかし読み応えがあるでしょう。
そこで「高齢者もブログを!」という期待論を書いていたのですが、自分で話を聞き、それを残すという形もあったわけですよね。実は上の文章には誤りがあって、祖母の夫は畳屋で、戦闘機のパイロットだったのは叔父にあたる人物だったとのこと(どちらも戦争中に亡くなっていたため、僕は会ったことがありません)。今年祖母が他界し、親戚から詳しい話を聞く機会があったので、ようやく正しい知識を得ることができました。そんな誤りも、祖母のところにちゃんと話を聞きに行っていれば、祖母自身に訂正してもらえたのに……。
そんな風に、このプロジェクトは「ITから遠い世代の話をネットに残す」だけでなく、「高齢者から話を聞く」という機会を与えるという点でも、有意義なものではないでしょうか。そうして集められた、いわば家族でしか聞けなかったような話を全世界の人々が共有できるとは、まさしくネットがもたらしてくれる恩恵でしょう。日本でも同じようなプロジェクトがスタートすることと、"Our Stories"プロジェクトの成功を願います。
……完全に余談ですが、実は僕の母親の実家も、かつて畳屋を営んでいたとのこと。僕はコンサルタントでも、ブロガーでもなく、畳屋として生計を立てるのが正しい道なのかも!?