オルタナティブ・ブログ > シロクマ日報 >

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

コントロールパネルより、スイッチを

»

またまたうちの奥さんに登場願いますが、彼女は左利きです。僕は右利きで、家族にも左利きの人がいなかったために、これまで「左利きの苦労」というものを感じたことがありませんでした。なので結婚して以来、意外な発見の連続です -- 駅の自動改札が通りにくい、ペットボトルのふたが開けにくい、最近では905SHのサイクロイド機構が操作しにくいなんて苦労も(それで彼女はAQUOSケータイをあきらめました)。日本人の10%前後が左利きだそうですが、にもかかわらず、世の中には「左利きに優しくない」仕組みで溢れていることに驚かされます。

そんなうちの奥さんにぜひ教えてあげたいニュースがありました。右手/左手の切り替えが簡単に行えるマウスがあるそうです:

“小学生だからって甘く見るなよ”な右手/左手切り替えマウス――エレコム「M-EKUR」シリーズ (ITmedia +D PC)

おなじみエレコムから販売されている、「M-EKUR」シリーズ。子供向けにデザインされたマウスとのことですが、最大の特徴は「右手/左手切替スイッチ」が付いていること。このスイッチをカチカチとするだけで、簡単に右クリック/左クリックを入れ替えることができるそうです。

もちろんこんなスイッチがなくても、コントロールパネルを開けばクリックの右/左を切り替えることは可能です。しかしユーザーが初心者だとしたら、それを簡単に行うことができるでしょうか(「そんなの単純だよ」と答える前に、「知識の呪い」という言葉についてご確認下さい)。また同じパソコンを家族で使っていたとしたら、ユーザーが変わるたびにいちいち設定変更しなければいけないでしょう。小さなスイッチがひとつあるだけで、利便性は大きく向上すると思います。

ユニバーサルデザインやアクセシビリティなど、マイノリティ的な立場に置かれている人々への配慮が浸透しつつあります。しかし多くの場合、彼らに対する対応は「クリックの右/左を切り替える場合には、コントロールパネルを立ち上げてから……」というレベルで終わってしまっているのではないでしょうか。自分達の製品/サービスに「スイッチ」を付けるとしたら、どんなものが可能か -- そんなことを考えてみても有意義だと思います。

Comment(5)