うるしの話に続きはあるのだろうか
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「うるしの話」(松田権六著)を読了。
日本に残る立派な漆芸品で最古のものは、法隆寺の玉虫厨子とか。大変高度な漆塗り技術のほとんどは、その頃までに完成していたらしい。
7歳で漆を始めたという著者(1896-1986)は、漆聖とか漆の神様とうたわれた人。著者の漆に対する深い造詣と愛情、誇りが満ち溢れている。読み終えて、漆芸品を求めて地元の美術館を訪れたい心境を抑えられない。
この本は、私が生まれて間もない1964年に出版された。著者を引き継いで、日本が世界に誇るべき漆芸の話しを続けてくれるのは、誰なんだろう....どうか絶やさないでください。
ところで、本文からの引用。
「オランダのハーグから8キロほど入った片田舎に、日本の漆芸と蒔絵専門の三階建の美術館がある。福沢諭吉が若かりし時代に世話を焼いて設立されたという。どういうわけか、そこには日本では見られないくらい全館上から下まで日本の蒔絵品ばかりが陳列され、友治蒔絵や琳派系のものがひじょうに多い。」
なんという美術館なのであろう?今でも残っているだろうか?もしまだあるなら是非一度訪ねてみたい。
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