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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

サマータイムは本当に省エネに貢献するのだろうか?

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「サマータイム導入、できるかな」というお題に応えて...

シアトルに住んで17年近く、サマータイムは毎年経験してきた。一年に二度、家中の時計の針を進めたり遅らせたりする手間を経験してきた。

その度ごとに、「果たしてサマータイムは本当に省エネになっているのだろうか?」という議論が、NPRや他のラジオ/テレビ番組で取り上げられる。こういう議論が取り上げられること自体、その効果に疑いを抱いている人たちが少なからずいる、ということだ。

2008年に発表されたこちらの論文は、インディアナ州を対象に調査研究したものだが、によると、サマータイム(Daylight Saving Time)は、制度の狙いとは逆に、家庭の電気消費量を増加させたという結果が出ている。

Scientific Americanの記事によると、年に二度時計の針を動かすということは、エネルギーだけでなく生活のいろいろな面に影響を及ぼしている、という調査結果も出ているとのこと。例えばスエーデンでは、サマータイムが始まる最初の週は、心臓発作の発生率が5%上昇する、という結果が報告されているらしい。

早起きを習慣づけることのメリットと、国中で時間を一時間早めたり遅らせたりすることとは、必ずしも一緒ではないと思う。私は、年に二回煩わしい思いをする必要のない日本の生活を、恋しく思っているうちの一人です。


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