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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

Brick & Mortar 書店の明暗を分けたのは...

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米国の大手書店、Barns and NobleとBorders。どちらもいわゆる"brick and mortor"の代表格で、 eコマースの先端をいくAmazon.comとの比較対象になっていた。

ところが、この2社の直近四半期の業績は、雲泥の差。

Bordersの昨年8-10月の実績は、

Third quarter sales were $470.9 million, a decrease of 17.6% from the same period a year ago. Comparable store sales declined by 12.6%.

一方Barns and Nobleの昨年10-12月の実績は、

Barnes & Noble Reports Strongest Bookstore Holiday Sales Results in Over a Decade.
NOOKcolor™ and NOOK™ Sales Significantly Exceed Forecasts – Driving Higher Than Expected Sales Online and in Stores
Barnes & Noble.com Comparable Sales Increase 78%
Barnes & Noble Comparable Store Sales Increase 9.7%

Bordersの店舗売上が前期比12.6%の減少に対し、Barnes and Nobleの場合は前期比9.7%の増加。

両社の明暗を分けたのは、eコマースと電子書籍に対する取り組みの違いだったようだ。Barns and Nobleは、果敢にも自社ブランドのeブックリーダー Nookを開発。店頭販売を積極的にしかけた。私も、近くのBarns and Nobleで、Nookをデモ販売しているお兄ちゃんにつかまったことがある。一方Bordersは、当初eコマースはAmazon.comに頼り、社内にノウハウをためることもしなかった。そして、eブックリーダーはサードパーティーのものに頼っている。

Amazon.com のKindleに、Barns and Noble のNook。電子書籍という「ウィンドウ」を牛耳れるか否かが、書店の生き残りの鍵のよう。




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