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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

アメリカのシンクタンクは日本の政権交代をどうみている?(最後)

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訳は今日でおしまい。

日本の外交に対する影響

国内統治の変更は日本の外交にも影響を与えるだろう。民主党は米国とより「対等の」関係を主張しており、国民の多くも同調している。具体的に言えば、民主党は、駐日米軍の運営方針を問題にしている。在日米軍駐留経費の日本側負担(host nation support)の見直しや、日米地位協定(Status of Forces Agreement)の見直しを要求している。加えて民主党はインド洋上給油活動の中止と、現在の沖縄米軍駐留の見直しも示唆している。最近では党首脳が、日本近辺における米核兵力の行使方法の見直しについても触れている。

北東アジア諸国との関係についても、民主党は自民党と立場を異にする。民主党は、アジア外交により重点を置くべきだといっているが、実は、第二次世界大戦における日本の歴史をより直視することを意味している。最後に、二つの党は、日本の憲法解釈とそれが国際社会における日本の役割にいかに影響を与えるかについて、異なる意見を有する。党内でも意見は分かれるが、民主党としては、国連安保理事会の決定がない限り、日本の戦力を国際協力に行使することについては消極的だ。

オバマ政権は、忍耐強くなければならない。政治の変革は時間がかかるものであり、ワシントンは日本の政治変革についての経験をあまり持ち合わせていない。新たな民主党政権がその外交政策の優先順位付けを磨いていくのにも、時間がかかるだろう。同様に、民主党がどの分野でワシントンに協力を望むのかを決めることは重要だ。現時点では、過去の提携に対する批判しか、民主党からは聴こえてこない。いくつかの問題は即刻注意を要する。第一に、北朝鮮の核保有を抑制するための地域的努力を続けることだ。国連制裁は平壌に圧力をかけ続けるが、より長期的な非核化の課題は残る。第二に、G20メンバー国として、世界経済の回復をおし進めることだ。日本自体の景気回復はもちろん、世界の金融界改革推進でも積極的関与が望まれる。最後に、9月に開催される気候サミットと12月のコペンハーゲンでのコンベンションは、日米が協力してあたる意義が大きい。省エネの実績と共に、日本の当該分野における技術優位性は、オバマ政権と大いに協力できる分野だ。

今後の課題

今回の選挙結果で日本の政治変革が終わった訳ではなく、新たなステージに入った。民主党の統治の成否が、将来の選挙結果も左右する。日本に政権交代勢力が根付くには、後数回の選挙を経ることが必要だろう。2010年の参院選までに、民主党は政党としての実体にふさわしい見解を形作るように慎重に歩まねばならない。最後に、民主党が与党の立場に慣れるのと同様に、自民党は野党の立場に慣れることが必要だ。

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