やはり歴史は繰り返す - "The Great Crash 1929"を読んで
先日コメントをくださったシギーさんのお薦めに従い、ガルブレイスの著書 "The Great Crash 1929"を読み終えた。
79年前の10月29日はいわゆるBlack Tuesday。 題名のごとく、この本は1929年の大暴落について書かれたものだが、第一章はそれから数年遡り、アメリカの20年代半ばの好況ぶり、特にフロリダの不動産ブームに関する記述から始まる。当たり前かも知れないけれど、大暴落の前にはやはりバブルがパンパンに膨らんでいたのだった。
"Investment Trust"...当時規制はほとんどなく、投機目的の格好の手段に使われたらしい。本文中の"Investment Trust"をCDS (Credit Default Swap)に置き換えると、今の状況にまあそっくり。本書は当時多数設立された会社の中から、Goldman Sacks Trading Corporationの株価を例にあげる。1929年9月、一株あたり$104で売り出された株は、1932年には$1 3/4となった。
1929年の株価大暴落が引き金となり、いわゆる大恐慌は約10年続いた。アメリカの国内生産金額がドルベースで1929年のレベルにまで回復するのは1941年になってからだった....
だからといって、いたずらに悲観的になっても始まらない。この本を読みながら、斉藤一人さんの、「台風で太陽が吹き飛ばされるなんてことはない」という言葉も思い出していた。バブルなんだからはじけもするでしょう。でも、またしばらくすると良くなるのだから、あわてない、あせらない、あきらめない、でこつこつ働くのが肝心。当時はなかったFDICという機関も、今はフル回転しているのだから、人間少しは進歩している。
ところで、この本の大半は、シアトル- ヒューストン間の飛行機の中で読んだのだが、機中で"Great Crash (大墜落)"なんていうタイトルの本を開いていたのは少しひんしゅくだったかしら....