金融危機、あらためてウォレン・バフェットに学ぶ
米国の金融危機が叫ばれる中、バークシャー・ハザウェイの傘下にあるMidAmerican Energy Holdings CompanyがConstellation Energyを買収したと発表した。
Constellationの業績は基本的に順調だが、資金タイト。リーマンがデットファイナンスを担当していたようだが、それがつまずき、S&Pがレーティングを下げるかもしれないという噂の下、倒産の危機に追い込まれていたという。9月初めに$60程度だった同社の株は、18日後には$26まで落ち込んだ。
18日、キャッシュ$4.7 Bil., 一株当り$26.50という条件で、両社が仮合意(tentative agreement)。翌19日には早速、仮合意と同じ条件で本合意(definitive agreement)に達したという。
以前記事で触れたが、バークシャーの買収基準は以下の通り。Constellationは、3)以外はすべて満たしている模様。資金ショートは短期的な問題で、それよりも値段がそれほど魅力的だったのだろう。
1) Large Purchases (at least $75 Million of pre-tax earnings unless the business will fit into one of our existing units),
2) Demonstrated consistent earning power (future projections are of no interest to us, nor are “turnaround” situations),
3) Businesses earning good returns on equity while employing little or no debt,
4) Management in place (we can’t supply it),
5) Simple businesses (if there’s lots of technology, we won’t understand it),
6) An
offering price (we don’t want to waste our time or that of the seller
by talking, even preliminarily, about a transaction when price is
unknown).
6)に売値を提示しなければ話を進めないとあるから、金額はConstellationの方から提示したのだろう。それにしても、この規模の買収を、仮合意から一日で決めるというのには驚く。
巷が上へ下への大騒ぎの最中でも、冷静に好機を逃さず迅速に決断する、この姿勢を学びたい。今週バークシャー・ハザウェイの株価は、15%上げた。
一方、Constellation Energy のCEOのコメント。
“The significant industry expertise and financial stability of MidAmerican and Berkshire Hathaway will allow Constellation Energy to continue our strong heritage as a first-choice energy solution provider and continue to build our business for the next 200 years.”
この時期に、会社が今後200年も続くと豪語するあたり、ウォレン・バフェットのお眼鏡にかなった人らしい発言か。でも、会社の財務体質がもっと強固だったら、こんな値段で身売りする必要もなかっただろう。ここはConstellationを反面教師とすべきね。