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私は、グローバルに活躍する金融スペシャリストや、事業会社のエグゼクティブの転職ニーズにカスタマイズされた付加価値の高いサービスを追及しています。仕事上、「転職市場の最新トレンド」や「選ばれる人材」に精通し、転職成功の事例を沢山学びました。世界経済の動向も大局的に見ながら、これからの「成功するキャリアの作り方」について読者の皆様と一緒に勉強していきたいと思います。

新年スタートの為、年末前にしておくべき準備

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依然としてEU諸国の経済状況次第では、外資系企業の日本法人の雇用にも影響が出ることは避けらないと思われます。

引き続き警戒が必要なのはいうまでもありません。

はいえ現在、真剣に転職活動を考えている方大きな勝負をかける前にどのような準備ができるのでしょうか?

今回は「新年スタートのために、年末前に今しておく準備」について皆さんと一緒に点検していきたいと思います。


(こちらの記事はEセントラルの11月に弊職が投稿した記事からの転載です。)

① CVの徹底したリバイズ

外資系企業の転職で、採用側の一番の関心事は「2008年以降の実績」です。これは最近の傾向として、どの職種にも言えます。レジュメでスキルを示すのは当然ですが、そのうえで「それだけのスキルがあれば、もちろん実績も出せていますよね?」という視点で見られます。特にシニアの場合、企業側が求めているのは入社後の直接的な貢献、アウトプットの部分です。(それにも関わらず、シニアのCVでたまに見かけるのは、私のマネジメントスタイルは「山本五十六タイプです」と、山本五十六の部下の掌握術について力説しているものですが、こういった個人的思いの強い内容は想像以上に冷ややかにみられます。)

CVは毎日、1か月ぐらい連続で見直しましょう。 寝る前に「あれもこれも」で良いので情熱的に書きだし、起床したら一歩引いて客観的な内容になっているかをもう一人の自分の目で見直す、これを1か月熟成して取り組むと書類通過率があっさりと1.3倍位に向上するでしょう。

外資系企業の採用は11月~12月の第1週でほどんど終わります。 (クリスマスに向けてエクスパッツの外国人が本国に帰るなどで12月は例年選考が滞ります。) したがって今は焦るよりは年明けの決戦に入念な準備をする方が得策です。 年明けの2012年1月の第2週から一挙に2011年の後半に策定された人員計画に基づき、中途採用のニーズが必ず出てきます。(組織拡大の純増求人だけでなく、ちょっとギラつきますがシニアなポジションのリプレイスメント求人が出てきます。)

また、英文レジュメをこのタイミングでしっかり見直しておきましょう。 外国人の仲の良い同僚がいたらネイティブチェックをお願いし、自分の英文レジュメの細かなところを直してもらうと良いでしょう。(そういう方がいなければ少しお金がかかりますが、英文レジュメをネイティブがチェックしてくれる以下のようなサービスがあります。(ご参考http://www.resumetokyo.com/about.html) 時間がある時に、まずは、今やれるだけのことは全てやる姿勢で年明けの展開は変わってきます。 こうした些細なことから候補者様の人生が劇的に変わっていくのを私たちは数えきれないほど目撃しています。

② 人脈のメンテナンス

外資系企業で継続的に高い実績を上げていれば、「あいつはすごい」と評判がたつものです。 それが社内外からのスカウトに繋がります。ヘッドハンティング経由で思わぬ大きなチャンスを掴むことも夢ではありません。「ボスに可愛がられてナンボ」なのは何も転職に限ったことではありませんが、まずは今、自分が置かれた環境において徹底的に成果を出し、ボスの期待に応えることにこだわってみてください。まずは一番、身近な人的ネットワークから良くしましょう。 辞めるときに、今の上司に袖を後ろで踏まれないような動きをここ2ヶ月で意識的にしておくがが意外と人生の分岐点になるケースがあります

もう一つ大事なのが社外の人的ネットワークです。 「その業界のビッグ・クライアント」との人的ネットワークが大切です。 外資系企業で転職活動をした方ならすぐにお分かり頂けると思いますが、極端な話、クライアントとのリレーションがそのまま転職者本人の評価に直結します。 採用する側は、仕事のクオリティ、人柄や能力といったものがクライアントに評価され、絶大な信頼を得てきたような人材にオファーを出したいもの。 また、重要すぎるコンフィデンシャルなポジションの登用には、クライアントからのダイレクトな引き抜きがやはり多くなっています。ボスにもクライアントにも信頼されるビジネスプロフェショナルが、結局は最後まで生き残るのです。だからこそ、職場の同僚や上司とのわだかまりや、敵をつくるような行為はお勧めできません。実際、パフォーマンスについては面接やレジュメで確認し、パーソナリティーに ついては元上司などからリファレンスをとり、オファーを出すかどうか判断するという企業が急増しています。胸に手をあてて心当たりがある方は、機会をつくって連絡をとり、一緒に久しぶりに一緒に食事をしながら近況のご報告と、何かあったときに力になってもらえるように助力をお願いしておきましょう。繰り返しとなりますが、こうした思わぬところで足元をすくわれるケースが結構多いです。

12月の第2週以降は忘年会シーズンに入ってしまうために数か月後、リファレンスのレフリーをお願いする可能性がある方(その業界で影響力のある今までの元上司や長年、苦楽を共にした元同僚で特に皆さんにとって大切な方、4~5名)とサシで年内に飲みにいっておくことをお勧めします。

③ 欧州経済、新興国経済のアップデート

外資系企業のビジネスパーソンたるもの「世界経済の潮流」を常に定点観測することが大切です。 大きなチャンスを掴むコツです。目の前に来た波が、乗るべき波なのかどうかを判断できなくては生き残れません。とにかく情報収集には命をかけてください。特に、世界経済を取り巻く国際的なルールの導入には、一通り目を通しておきましょう。それらの変化が自分の関わるビジネスにどんな影響をもたらすのかしっかり 理解できていれば、今後のキャリア戦略について考える時に必ずヒントになるはずです。

金融業界の方であれば金融庁のHPを定期的に見る、経済学者・有名アナリスト・GPIFの運用責任者などの有料セミナーなどに自腹で参加する、その業界で既に第一人者と言われている人との交流を増やすなど、情報収集、ネットワーキングを生活の一部に取り込みましょう。自分が進むべきキャリアで成功するために勉強すべきことが、かなりはっきりと見えてくるようになると思います。 その業界で既に第一人者の方を検索すると、TWITTERをしているケースが多いです。 その第一人者がフォローしている専門家は当然、ひととおりフォローしておくと自分の業界の最先端の情報をタイムラインで簡単にキャッチできるようになります。

④ 参考図書

①もし「ガイジン」が上司になったら デスカヴァー21 マイク・コリー②45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本 植田統 日本経済新聞出版社 ③40歳からの崖っぷち求職塾 砂山 擴三郎 ダイヤモンド社 ④面接の英語 有元 美津世 ジャパンタイムズ ⑤MBA式 面接プレゼン術 シェル・リアン   EIJI PRESS ⑥成功するグローバルM&A―トップが考えるべき6つのステップとCFOの役割 ブーズアンドカンパニー (著), 松田 千恵子 (翻訳) ⑦権力を握る人の法則 日本経済新聞出版社 ジェフリー・フェファー 村井章子 ⑧現在総合商社論 三菱商事株式会社 早稲田大学出版部


阪部氏プロフィール: 阪部 哲也 [ Tetsuya Sakabe ]

同志社大学法学部法律学科卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行、営業店、本店融資部、 不動産会社などを経てリクルートエージェント(旧リクルートエイブリック)入社。

金融スペシャリストのキャリアカンセラーとして投信・投資顧問、PE、M&Aアドバイザリー、企業再生、投資銀行、銀行・証券生保・損保・監査法人・不動産など幅広い金融スペシャリスト人材の転職をサポート。決定難易度の高い金融スペシャリスト領域からはじめて全社MVP受賞。第三者の出口調査でも候補者の約90%以上が満足と回答。その後、スカウトされ、NYに本社を置き、世界30カ国で事業を展開しているグローバルサーチファームのBanking & Financeのフロントオフィスのマネージャーなど経験。現在まで7年間、一貫して金融業界を担当。外資金融機関日系金融機関の双方においてエグゼクティブレベルのサーチで高い業績をおさめています。2010年、KANAEアソシエイツ株式会社設立。

主な賞歴: ビズリーチ主催の「日本ヘッドハンター大賞」で金融サービス部門の部で最優秀賞(2011) ビズリーチ主催の「日本ヘッドハンター大賞」で金融サービス部門の部で優秀賞(2010)

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