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情報通信業界に関わる事業戦略からM&A、ベンチャー支援までを手がけるコンサルタントの気ままな落書き

2007年は海外市場攻略が一つのカギ

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2007年が始まり、企業においては今年の抱負や経営方針、新しい取り組みなどがあちらこちらで語られている。概ねのトーンとしては、1)足元の企業業績拡大を受けた「飛躍」に向けて手綱を締める、2)目前に迫る大きな変化点(団塊世代の退職など)を挙げ企業変革を求める、3)不祥事に対する信頼回復を訴える、といったところだ。波乱に富んだ2006年であったが、2007年も安泰ではないという兆しが明確に現れている。

このような中で、一つ間違いなく、多くの企業がグローバル市場で勝負をかけなければ生き残れない、ということを今まで以上に確信している様子が伺えた。トヨタをはじめとする自動車会社の業績は好調だが、国内市場は完全に成熟、海外で売上を伸ばさない限り現在の成長力を維持することはできない。携帯電話も国内は完全に成熟しており、今後の市場予測を見ても、微減~微増といったところだ。楽天も中国や北米市場への本格参入を表明し、国内市場だけでは成長できないと明言している。その他、新興のIT企業も海外展開を明確に宣言する企業も増えてきている。

製造業を除いては、これまで海外展開に慎重な声が主であった。特に新興企業は、先ず国内を固めなければ海外などはありえないという声が圧倒的であった。しかしながら、海外市場の攻略は国内市場よりも難易度が高いケースが多いので、事前の調査や準備は前倒しで進めておかなければならない。何よりも市場が違うのである。これはあくまで一つの参考例であるが、先般ある会合で外食チェーン店舗の店長さんの日米における役割の違いと店舗運営システムについての話になった。日本の店長さんは、まず売れてなんぼで、商品企画や宣伝を行うことが先決。いわゆる管理業務は二の次。一方、米国ではチェーンの本部が商品企画や宣伝を行うので、店長さんは現場管理に注力。このような差異を無視して同じシステムを単純導入することはできない。これはどちらかというと、米国ソフトを日本で販売する際の課題であるが、当然逆のケースも存在するのである。申し上げたかったのは、海外市場というのは、全く新しい市場ととらえて参入するくらいの覚悟が無いとなかなか成功できないということである。

海外市場攻略は容易ではないが、その一方成功したときの果実は大きい。新たな日本発グローバル企業の発現に大きく期待したい。2007年は海外への飛躍の年!!

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