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情報通信業界に関わる事業戦略からM&A、ベンチャー支援までを手がけるコンサルタントの気ままな落書き

うまくつなげて、つながって

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昨日の報道で、NTT東日本では契約回線で光がADSLを上回ったとありました。遂に光ファイバーが、有線ネットワークを名実共にリードする時代に入ってきたというわけです(もちろん、全体の契約回線数ではADSLが圧倒的に多いですが)。前職時代、2000年のちょっと前頃に実施したブロードバンドインフラの市場予測を引っ張り出してみてみたら、光ファイバーが2005年度末に250万契約、ADSL300万契約というものでした。実績は光550万契約、ADSL1450万契約と、かなりのアンダーエスティメートだったわけですが、それでもその当時、「光ファイバーはそんなに伸びるわけない」と、かなり反論されたことを覚えています。時期を別にすれば、いつかはきっと光ファイバーだよなという感覚を持ってはいたのですが、その時期がいつなのかがなかなか読めなかった。2010年をだいぶ過ぎてからかな???でも、2000年以降、ソフトバンクのADSL事業参入をトリガーに、ブロードバンド環境が急速に進展したお陰で、光の普及も早まったわけですね。

これから2011年の地上デジタル放送への完全移行(アナログ停波)あたりにむけて、有線では光ファイバー、無線でもWiMAXUWB、HSPA等々様々な方式でブロードバンド化が進展し、本当に放送と通信の融合が進んでくることは間違いないでしょう。特に今後数年は、このブロードバンド環境充実期に入るので、これに対する対応をしっかり行うことが課題となってきます。もちろん、映像コンテンツをはじめとした関連プレイヤーの事業機会は益々増えてきます。そして、映像コンテンツ以外の部分の重要度も上がってきます。ユーザーにとって真に役立つITとならなくては、このブロードバンド環境も宝の持ち腐れになってしまうので、例えばセンサーネットワークや、中小企業での活用など、新たな応用や需要家の拡大を推進することが肝要です。この優れたブロードバンド環境にうまくつなげて、つながって価値を作れるか?これが課題だと思っております。

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