オルタナティブ・ブログ > 破壊的イノベーションでキャズム越え >

国境なきオープンイノベーション(C&D)で、世界のソフトを日本で仕上げて世界で売り抜く!

あるベンチャーキャピタリストの嘆き『「あの事業仕訳は・・・』。  国はベンチャー・中小企業をどうしたいんだ!

»

日本は、ベンチャー・中小企業が世界で戦うことを考え、行動し、KAIZENしているのだろうか?

2010/04/23 中小基盤機構、2000億円を国庫返納 住宅機構の融資「廃止」
23日は中小企業への融資を主な業務とする中小企業基盤整備機構について、2000億円をメドに不要資産を国庫に返納するよう求めた。

--

これ以外にも、ベンチャー・中小企業に有効な事業が、いくつも廃止の方針となっていますが、必然的な「廃止」なのか、改善の十分な余地がある(改善の価値が無いと判断された)「廃止」なのかによって、大きく意味も結果も異なるのだろうと思いますが、あるベンチャーキャピタリストは、

『あの事業仕訳は痛かった』『多くのファンドが中小機構との相乗りで設立しているのに』・・・

ニュースでは、融資を主な業務と書かれていますが、一ベンチャー経営者の私として、中小機構はベンチャーを支援する基盤であり、インキュベーション施設やファンド出資という重要な役割を担っていると常々思っています。 自社としても、中小機構アイノリのファンドから出資を得ていますし、慶應SFC隣接のSFC-IV(慶應藤沢イノベーションビレッジ)にも、C&D拠点として、2年間入居させて頂きました。

自社が得たものがあるから言うわけでも、中小機構そのものや、特定のベンチャーキャピタルやキャピタリストに肩入れするつもりもありません。
ムダや改善対象は、多々あることでしょう。 しかしながら、

「国はベンチャー・中小企業をどうしたいんだ!」 ということに尽きます。

前回も、今回も、ベンチャー・中小企業に与える影響は、かなり大きい事業があり、その廃止や縮小により、国際競争力を高めるために中小・ベンチャーが活躍しないと、世界から取り残されるのでは?と危惧しますし、それ以上に、日本の優秀な人や企業が海外に流出することになります。(いや、かなり流出しています。)
いや、流出自体は、当事者視点として、あるいはサポートする周辺としては、『成功』が全てであり、国益はその後ということになるので、全く問題の無い選択肢、あるいは戦略でしょう。

一方、製造業を中心とするグローバルな「一定の成功」は、戦後に支えた国があったからかもしれませんが、「一定」であり、TOP3に入れない商品分野が多く、差はさらに開く傾向にあるということを憂慮します。

--

次に、投資を業務とするベンチャーキャピタルですが、ベンチャー投資は、継続することができれば、サイズや張り方(ポートフォリオの組み方・組み付け方)は色々あるにしても、未来があるのではないかと思います。
撤退や、規模・人員の縮小が続いている日本のベンチャーキャピタル業界にいる人、いた人から見れば、「何言ってるの?」と思うこともあるかもしれませんが、

「VCが投資を止めたら終わり」 です。

LPの意向もあるでしょうし、仕方ないかもしれません。 投資した株式をホールドすることで、余計なお金も掛ります。 国内のIPOが前年2009年がわずか19社とピークの1/10という現実も大きな懸念であり、VCには対処しようのない状態かもしれません。

そもそも、日本のベンチャー投資と、北米を中心とする海外のベンチャー投資との相違が、今の日本のベンチャーの輩出・育成・成長・Exitの結果として、表れているのかもしれません。

--

最後に、ベンチャー企業およびその経営者に対してですが、

外部から出資を受けたいなら、とことんやって欲しい。
外部から出資を得ているのであれば、とことんやって欲しい。
とことんやって、まだ結果が出なくても、あきらめずに「とことん」を継続して欲しい。

自らも、「とことん」やり続けたいと思っていますし、ベンチャー経営者の知人や後輩にも、伝えることで、1人でも1社でも多く、成功を掴み、世界で戦える、あるいは世界と協調できるベ人・会社となることが、べき事と思います。

--

2010/02/27 大学発ベンチャー・学生ベンチャーは置いておき、日本の大学研究シーズへのファイナンス・寄付の必要性を今一度考えてみる。日本の未来と国際競争力は?

2010/02/02 民主党参議院議員・藤末健三氏からメール頂きました。

2010/02/01 IPOトレンド-IPO社数の推移-/2009年のIPO動向について (あずさ監査法人)を見て、あらためて思う。

2010/01/12 「環境・新エネルギー産業創出セミナー」に行ってきました。(最初の1セッションのみですが)

2010/09/02 「Skype、再び独立企業に」というニュースから、米国のExitモデルの今が見えるのか?

2009/08/09 Kauffman Fellows Program JAPAN SUMMIT 2009が新丸ビル10Fで開催されます(9月30日~10月2日)

2009/08/12 昨日のニュースですが「Facebook、フィードアグリゲーターのFriendFeedを買収」をベンチャーExitの視点で

2009/08/12 日本創生ビレッジ(三菱地所)というベンチャーを支えるプラットフォーム

2009/07/15 ベンチャーファイナンス事情2009(Vol.2)

2009/07/02 ベンチャーファイナンス事情2009(Vol.1)

--

Comment(0)