オルタナティブ・ブログ > 破壊的イノベーションでキャズム越え >

国境なきオープンイノベーション(C&D)で、世界のソフトを日本で仕上げて世界で売り抜く!

ベンチャーファイナンス事情2009(Vol.2)

»

前回の「ベンチャーファイナンス事情2009(Vol.1) 」から、2週間ほどが経過しましたが、昨日のブログ「自分の限界を決めない 」に書きましたが、リアルな匂いを感じた慶應SFC・加藤文俊研での体験から、「リアルな匂い」のする慶應SFC発ベンチャーのファイナンスを1例として書くことにしました。

そのベンチャー企業は、ITmediaさんにも記事掲載(ニフティ、「超かわいい」ノートPCケース発売 :2009年04月27日)して頂いている会社『株式会社アゲハ』です。

「おしい」を「ほしい」に変える、みんなで創るブランド=アゲハ です。

タイトルの「ベンチャーファイナンス」というポイントでお伝えすると、昨年春の創業時にスカイライトコンサルティングさま、この7月10日にセプテーニ・アイさま(住信インベストメントのファンド経由)からの調達を成功させています。

学生ベンチャーであり、現在の事業サイズもまだまだスモールなので、合計調達額としては少なめの合計約1,000万円です。

ベンチャー経営者や学生での起業を志す方にとって、、この1,000万円はどのように思われるのかなぁと思いますが、私的には、

「Great!!」

「すばらしぃ!!」

「良くやった!!」

と思っています。

時は遡って2007年9月、慶應SFC・國領先生の研究会合宿にメンターとして参加させて頂いた時のことですが、懇親会にて、牧 兼充さん(慶應義塾大学 政策・メディア研究科 助教)と、合宿でのできごとなどを振り返って雑談しているときに、一人の学生さん(後のアゲハ・木下社長)が近づいてきました。

  • 伊藤 良二研究会で作ったビジネスプランを実現したい
  • 4年生で、就職先も決っているが(ベンチャー企業をコンサルする会社)、迷っている

といったことでした。

牧さんが伝えたことは忘れてしまったのですが(ゴメンナサイ)、私は、

  • マニュアルに従って、ベンチャー未経験なまま、ベンチャー企業経営者にコンサルするのは如何なものか? ベンチャー経営経験をしてからでも遅くはないのではないか?
  • 大学院に進学できるのなら、ベンチャー経営や自身のビジネスモデルを研究テーマに、学生ベンチャーとして、プランを継続できるのでは?

というポイントを伝えたと記憶しています。

9月末ごろに、SFCアントレプレナーアワード2007にエントリーするとのことで、ブラッシュアップミーティングを行いました。
私のパターンなのですが、プレゼン資料のブラッシュアップは冒頭数枚にかなりのウェイトをおくようにということで、30分ほどかけて2ページ程度の「ダメ出し」をして、後半30分で、残りをコメントしながら、ブラッシュアップを行いましたが、

「トラックレコードを重ねること」をミッションとして、まずは、SFCのアワードを受賞できるようにということでハッパを掛けたような記憶があります。

そして、2007年11月には「The Best Business Process Award」を受賞することができましたが、そこからが、すさまじいビジネスプランコンテストでの受賞の嵐。

ビジネスコンテストや、助成金・補助金やらをあちこちエントリーすることが良い事だと勧めているわけではないのですが、自己資本が最小なとき、資金調達のポシビリティや、ブランドUPを追求するパワーに、「本気」を感じることができました。

そして、もう1点ですが、「設計」されていることです。

  • 創業前:ビジネスプランのブラッシュアップと巻き込み力の強化
  • 1年目:もの作り(アゲハの場合は、バッグなどを作る事)
  • 2年目:売上実績確保に向けたチャネル開拓
  • 3年目:これからなのですが、ビジネスモデルを実現するシステム構築

といった、重要なステップを設計し、一歩一歩進んできていることが、非常に「リアルな匂い」のするベンチャーだと思います。

「安易な」BtoCモデル・広告モデルではなく、リアルをネットで実現するところが、評価されているのではないかと、いろんな人や企業を巻き込む事ができているのではないかと思います。

巻き込んだ結果として、確立した販売チャネルは、

 
Sofmap
 

まだ2年目ですから、スゴイ学生ベンチャーだと思っています。

そして、3年目のビジネスモデルを実現するシステム構築のために、今後、どのような資金調達をすれば良いのか、その前提となる条件(エコシステム的なものも含め)のようなことを次回に書かせて頂くつもりです。

途中となりますが、次回にご期待ください。

Comment(0)