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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

最近も日経新聞が有料オンライン版をスタートするというニュースがあったように、古いメディアの下でニュースを配信してきた企業が、ネット時代に合わせてその姿を変えようとしています。そこで重要になるのが「なぜ人々はニュースを欲するのか」という点。この問いに的確に答えることができなければ、コンテンツへの課金はおろか、集客すらおぼつかないニュースサイトが出来上がってしまうでしょう。

「そんなの愚問だ。人々がニュースを得ようとするのは、欲しい情報があるからに決まってるじゃないか」――僕もその答えに100%同意するのですが、そう言い切ってしまう前にこちらの調査結果に目を通すことをおすすめします:

Understanding the Participatory News Consumer (Pew Internet & American Life Project)

まいどお馴染み Pew Internet & American Life Project が新たに発表した調査結果、テーマはずばり「米国民のニュース消費行動」について。多くの興味深い結果が出ているのですが(対象が米国民のみという点が悔やまれます)、今回注目したいのは以下の点:

News meets a mixture of social, civic, personally-enriching, and work-related needs in people’s lives. The 93% of Americans who say they follow the news at least occasionally report a variety of reasons for doing so. Surprisingly, the most popular reasons for following the news do not relate to personal entertainment or professional motivations. Instead, they have to do with social interaction and/or a sense of civic responsibility:

  • 72% of the news-consumer cohort said one reason they consume news is because
    they enjoyed talking about it with family, friends and colleagues
  • 69% of this group say they feel they have a social or civic obligation to stay informed
  • 61% say they often find information in the news that helps them improve their lives
  • 44% say news provides a relaxing diversion or personal entertainment
  • 19% say they need to follow the news for their jobs

ニュースは人々の生活において、多様な社会的/個人的ニーズ、あるいは仕事上のニーズを満たしている。「少なくとも時折ニュースに接している」と回答した米国人の93%が、その理由として様々なものを挙げた。驚くべきことに、ニュースを追う理由として最もポピュラーなものは、個人的な楽しみや職業上の必要性とは関係がなかった。実は社会的な交流や、市民としての義務感がニュースを追うことと関係していたのである。

  • 「ニュース消費者」グループの72%が、ニュースを消費する理由の1つとして、それについて家族や友人、同僚たちと語り合うのを楽しむためと回答した
  • このグループの69%が、情報に接していることを社会的義務と感じていると回答した
  • このグループの61%が、ニュースの中で生活に役立つ情報がしばしば見つかると回答した
  • このグループの44%が、ニュースがくつろげる娯楽や個人的な楽しみを提供してくれると回答した
  • このグループの19%が、仕事上ニュースに接している必要があると回答した

とのこと。「ねえねえ知ってる?2ちゃんねるが外国からの攻撃を受けて、サーバがダウンしたらしいよ!」などという話をして盛り上がる――皆さんもそんな経験をお持ちだと思いますが、まさしくそんな行動がニュースを消費する原動力となっていると。少なくとものこの調査結果上では、そんな光景が見て取れます。

こういった背景があることを思えば、同レポート上の次のような結果も納得でしょう:

Some 37% of internet users have contributed to the creation of news, commentary about it, or dissemination of news via social media. They have done at least one of the following: commenting on a news story (25%); posting a link on a social networking site (17%); tagging content (11%), creating their own original news material or opinion piece (9%), or Tweeting about news (3%).

インターネットユーザーのおよそ37%が、ニュースをつくり出したり、それに論評を加えたり、ソーシャルメディアを通じて拡散させたりすることに貢献している。そういった人々は、次の行動の少なくとも1つを行っている:ニュースにコメントを加える(25%); ソーシャルネットワークサイトにリンクを貼る(17%); コンテンツにタグをつける(11%); オリジナルのニュースコンテンツや論説をつくり出す(9%); ツイッター上でニュースを伝える(3%)

ということで、最近注目されている「ツイッター上でニュースを伝える」という行動も、調査対象となった全インターネットユーザーの3%が行っているという結果が出ています。この数を多いと見るか少ないと見るかは別にして、少なくともそのようなニーズが厳然と存在していることに注目しなければならないと思います。

そしてこういったニーズにどのように応えていくか、という点がニュースサイト、はたまた既存の報道機関が考えていかなければならない課題ではないでしょうか(例えば最近一般的になりつつある「このニュースをツイッターでつぶやく」ボタンを設置する、などという行為が第一歩になり得るでしょう)。そもそもニュースには「集いを生み出す」という価値があり、現在はその価値が強く認識される状況になっているということ。少なくともこの点を十分に認識しておく必要があると思います。

余談ですが、Pew Internet のレポートにはこの他にも「46%の米国人が4~6のメディアからニュースを得ている(逆に1つのメディアからしか得ていないのは7%)」や、「2%の米国人がネットからのみニュースを得ている」などといった面白い結果も出ていますので、ぜひ一度ご確認を。

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それからご参考までに、こちらの記事も:

デザインで新聞を救った男の話

また路線はずれてしまうかもしれませんが、こちらの記事もぜひどうぞ:

新聞とツイッター (Egawa Shoko Journal)

【○年前の今日の記事】

世界遺産の作り方 (2009年3月3日)
デートは3分で (2008年3月3日)
ケータイが標準になる日 (2007年3月3日)

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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