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ムンバイ同時多発テロ――ネットの反応

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また悲惨なテロ事件が起きてしまいました。インド・ムンバイの各所を狙った同時攻撃が発生、少なくとも80人が死亡し、邦人も巻き込まれたとのことです:

ムンバイの同時攻撃で邦人1人死亡、1人負傷 (ロイター)

最近のICT技術、およびウェブサービスの発達により、大きな事件ではマスメディアより先にネットで情報が流れるという現象が起きていますが、今回の事件も例外ではなかったようです。ブログや Twitter、Flickr など、様々なサービスを通じて速報が伝わったとのこと:

Mumbai Attack Aftermath Detailed, Tweet by Tweet (Danger Room from Wired.com)
First Hand Accounts Of Terrorist Attacks In India On Twitter, Flickr (TechCrunch)

5月に中国で大地震が発生した際も、速報性という点で Twitter が最も勝っていたという話がありましたが、今回も Twitter 上では早くから情報交換が行われています。さらに今回は Wikipedia にいち早く関連ページが開設されたり、Google Maps に襲撃発生地点がプロットされたり、事件現場を撮影して Flickr にアップするなどといった動きがあったとのこと。別に「事件・事故に関する情報を共有してはいけない」などというルールは無いので当然ですが、様々なソーシャルサービスが事件の情報共有に活用されたようです。

その中で1つ興味深かったのが、Flickr 上で事件現場の様子を公開したことに対する反応です。現時点で11件のコメントが付いているのですが、例えば:

You are very brave. Thanks for sharing.

あなたは非常に勇敢だ。シェアしてくれてありがとう。

Thanks for posting these - great work. And says a lot about how powerful forums such as Flickr are.

写真をポストしてくれてありがとう。偉大な行為だ。Flickr のようなフォーラムが、どれほど強力なものになるかを示していると思う。

thank you doesnt seem like a right thing to say, but it was very brave of u to go out and post these.

「ありがとう」というのは適切な言葉では内容に思えるけれど、事件現場に行って写真を撮り、公開したことは勇敢な行為だったと思います。

など、ほぼ全てが好意的な反応になっています。Flickr 以外の情報共有に対しても、現時点ではという限定付きですが、「不謹慎だ」などといった非難めいた意見は見られません。以前、秋葉原で連続殺傷事件が起きた時、現場の様子を写真・動画で公開した人々に対して非難の声が上がったことを思うと、この反応の差は何に起因するのだろうとふと考えてしまいました。

もちろん2つの事件は、その性格も性質もまったく異なります。しかし「自分も事件の巻き添えになる危険を冒しているか否か」で賞賛されるかどうかが決まるわけでもないでしょう。日本と外国とでは、「メディア的な行為」に対する社会的な認識の差があるのかもしれない――と仮定してみているのですが、正直なところ、まだ具体的な証拠があるわけではありません。今後、海外のネット論壇で「不謹慎だ」的な声が上がるのかどうか、また日本のメディアやネット論壇は今回の現象をどう捉えるのか、注目してみたいと思います。

< 追記 >

ロイターから次のような記事が配信されています:

ムンバイの同時テロ、現地ブロガーが現場の模様を実況 (ITmedia News)

ここでは「大手メディアにとってユーザーからの情報が潜在的に極めて貴重になり得る」という指摘も紹介されているものの、こんな一節があります:

Twitterのブログに対しては、詳しい情報を暴露し過ぎているとの批判もある。人質を取ってホテルに立てこもっている犯人がブログをチェックしている可能性もあるからだ。

 「これはテロ攻撃だ。娯楽ではない。Twitterユーザーはおしゃべりの内容に責任を持って欲しい」とprimaveron@mumbaiを名乗るブロガーは促した。

米国政府が「テロリストも Twitter を利用している可能性がある」と指摘したのは記憶に新しいところですが、確かに「テロリスト側に情報が漏れる危険」という面からCGMが非難される可能性があるかもしれません(マスメディアにも同様の危険はあるわけですが)。

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