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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

大地震で学んだこと・・・。

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 昨日までの大幅下落の反動から大幅反発となりました。それでもまだ売られすぎの反動という域を出ず、下落幅の割には戻りは鈍いものとなりました。買戻しは入るものの、原子力発電所の問題は解決しておらず、被災地の復興に関しても方向性が見られず、積極的にリスクをとるような資金は引き続き手控えられているものと思います。市場参加者は相変わらず、目先筋と「アルゴリズム取引」と言われるようなシステム売買が主流でまだ、しっかりと業績面を見直すと言う買いは手控えられているものと思われ、売られすぎではあるのでしょうが、あくまでも目先的な売り買いだけでの動きということなのでしょう。

 今後大震災に落ち着きが見られ、原子力発電所の問題も解決となった後に何を物色することになるのか、ということを考えると、復興需要に期待する動きとして、社会インフラ整備関連銘柄などは注目されるものと思います。民主党政権になり、公共事業が全く止まっていたことを考えると、民主党政権下で意気消沈していたインフラ関連の企業などは息を吹き返してくるのだと思います。また、今回の一番の問題は原子力発電所の問題、特に原子力発電そのものよりもそのオペレーションの問題であり、原子力発電関連の企業は原子力発電が完成した後のオペレーション能力が問われることになりそうです。

 また、あまり騒がれていませんが、「液状化」の問題も出てくるのではないかと思います。海辺のテーマパークが酷いことになったように、阪神淡路大震災の時にも出ていたはずなのですが、特に問題視されておらず、今回の地震でもあまりテレビ等では取り上げられていませんが、かなり状況は悲惨となっているようです。埋立地の土地利用のあり方、単なる免震で良いのかどうか、都市設計などの問題も絡めて出てきそうです。

 一方で、新幹線のオペレーションは特に問題がなかったようで、けが人などの話も出ていないので、新幹線に対する信頼は増す可能性もありそうです。逆に電力使用に対する懸念がかなり強まり、代替エネルギー=太陽光発電などへの需要が増えるのではないかと思います。また、改めて電気というのは「作る」「貯める」「運ぶ」ということがそれぞれ大切だと言うことがわかり、「電池」に対する需要や「スマートグリッド」に対する期待も強まるのではないかと思われます。

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