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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

「季節性」を信じて見ようか・・・。

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 ユーロが大きく売られ、ドルも軟調、米国株式市場も軟調となったのですが、日本市場は前日の大幅下落で欧州金融不安や中国の金融引き締め懸念を織り込んでいたものとして底堅い展開となりました。持高調整の売り買いも見られたようで、一方的に売り急ぐような動きも少なく、本来であれば円安メリットのある銘柄なども買われて堅調となりました。米国で景気回復を示すような指標が発表されたこともあり、クリスマス商戦へに期待も高まって、売り難くなっているものと思います。

 円高への感応度も鈍くなっていますが中国の経済指標への反応も鈍く、相変わらず目先の需給要因だけで動いているようです。12月相場ということで、「掉尾の一振(ちょうびのいっしん)」が期待されますが、実際に12月という月は6月などと並んで勝率(陽線となる確率)の良い月となっています。特にこの10年間の間に陰線となったのは2000年、2002年、2007年の3回だけです。2003年に一度不良債権処理の終了で底入れとなった後は2007年に陰線となっただけです。

 逆に言うと10月、11月がそれだけ安いということになるのでしょうが、その要因としてはヘッジファンドの決算が11月が多いこと、1月から海外で新年度入りとなることで新規資金の流入期待が強いことなどが上げられるのではないかと思います。ヘッジファンドの処分売りが終わり、また12月のSQ(特別清算指数)算出後に外国人がクリスマス休暇となって、来年に期待する買いが入って指数を押し上げるということなのだと思います。

 日経平均の史上最高値も大納会ですし、単なる統計だけの問題ではなく理由がある中での季節要因は頭に入れておいても良いと思います。現実問題として日経平均の目先的な過熱感が強いなかでの12月の始まりとなりそうでしたが、昨日の大幅下落で下値の節目水準に近いところまで下落となったことや円高が更に進行する懸念が薄れているなかでは業績面の割安感もあり、堅調な地合いが続くのではないかと思います。円高が進むことがなければ、輸出企業などには落ち込みが懸念されていた10-12月期の業績も上振れの可能性も高く、今年も陽線となると期待してもいいのではないかと思います。

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