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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

企業業績よりも、個人がお金が使えるようになることがデフレ脱却の近道・・・

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 先週末の米国市場は底堅い堅調な展開となりましたが、為替が円高に振れたことから売り先行となりました。ただ、寄り付き直後に大きく円安に振れる場面もあり、また、先週末発表された決算が好調なものも多く、全体としては底堅い展開となりました。中国のPMI(製造業購買担当者景気指数)が3カ月連続で改善したことも下支え要因となったものと思います。米国の経済指標やFOMC(公開市場委員会)、中間選挙などのイベントを控えて動き難く、目先筋の売買や持高調整の売り買いが中心となっていたようです。

 好決算を発表する企業も多いのですが、市場の反応は今ひとつ芳しくありません。為替動向や今後の経済動向に懸念が残ることや政策の方向感が見えないこと、また、好決算といってもコスト削減利益を出しているものも多く、景気拡大、経済拡大のなかで諸手をあげて好感するわけにいかないと言うことのようです。何年か前から「会社は株主のもの」と言うことが言われ、四半期決算が義務付けられたことで、ますます目先の利益を何とか確保しようと言う動きも多く、目先的な売買が主体の相場にありながらそうした目先の業績に一喜一憂することを嫌気しているのではないかと思います。

 赤字決算でありながら配当を出す企業なども散見されますが、配当を出すくらいであれば、従業員に還元した方が消費に結びついて経済の拡大にはいいのではないかと思ってしまいます。従来からの年功序列、終身雇用が崩れ、企業が利益を上げるためにコスト削減ということで従業員に負担を強いることで、個人消費などもますます萎縮、「お金を使う」と言うことよりも「貯める」ということに向かって、「投資」も手控えられてしまっているのではないかと思います。

 企業も個人もそうですが、こういうときだからこそ、使えるお金を増やす方向に使った方が良いのではないかと思います。そして、経済が萎縮している特に、次の拡大に備えて投資をし、体力を温存している企業が、景気拡大の時に大きく伸びることになるのだと思います。必要な投資にお金を使っている企業であれば増資などの資金調達も何倍にもなって帰ってくるということなのだと思います。

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