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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

煮詰まれば動く・・・・

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 引き続き米金融緩和と円売り介入期待が入り混じり、為替が円高気味ながらもドルの底堅さも見られ、株式市場はドル安、円売り介入双方の警戒感から身動きが取れない状況となっています。好決算を発表したもの、業績見通しを上方修正をするものも見られ、素直に反応するものも見られたのですが、あくまでも個別の銘柄ということで他の銘柄に波及するでもなく、相場への影響は限られました。円売り介入期待、警戒感もあって売り急ぐ動きもなく、連日の小動きとなっています。

 個別の業績動向に反応する動きはあるものの総じて方向感のない展開となっています。目先筋の売買が中心、持高調整の売り買いが中心となって方向感のない展開となりました。為替も円高に振れているのですが、いっこうに介入もなく、そうかと言って一気に最高値を更新するように円が買われるわけでもなく、市場全体の方向感が見えない状況です。米国市場は堅調ですが、ドル安効果で業績が好調となるものが多いということであり、日本にとっては好感できることでもなく、市場への影響はほどんどありませんでした。

 江戸時代に書かれた相場の書の「三猿金銭秘録」の冒頭に「陰際まれば陽を生じ、陽極まれば陰をを生ず」と言う言葉がありますが、本日の後場は寄り付きから20分間の間、日経平均の値幅が10円に満たない状況でした。これだけ煮詰まれば動き始めると一方向に動き易く、前場軟調となっていたものが指数が一気に堅調となりましたが、このように手詰まり感が強い時にはいったん動き出すと一斉に動くと言うことなのでしょう。

 ここのところの相場は目先の需給要因だけで動いている感が強く、売られるものは売りが出ているからと言う理由で売られ、株価が下がって売りが増えるとさらに売られるというようなものが多いと思います。手数料が安くなったことで、ちょっとでも動けば利益が出るということで、「動きに付く」という取引手法が多用されるのでしょうが、先日も述べたように、そうした目先の需給に振らされる動きは「ノイズ(雑音)」と考えて、大きな流れを見てもいいのではないかと思います。もちろん、いろいろな取引手法があり、それぞれ一長一短なのですが、あまりに目先の需給に振らされるような取引が多くなっているのではないかと思います。そろそろじっくり構える投資も見直されてもいいところです。

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