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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

同じものでも見方によっては・・・・

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 先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を控えていることもあり、米国株高や円高一服で買い先行となったものの上値も限定的となりました。積極的な売り買いはほとんど見られず持高調整の売り買いは見られるものの、目先筋の売買も少なく終始閑散とした状況でした。指数の値動きも少なく、方向感も物色対象も絞りきれない感じでした。

 昨日お客様との会話の中で、「大手証券が売りを煽っているのではないか」「新聞などのマスコミもそうした悲観的な見方を煽っているように見える」という声が聞こえて来ました。実際に悲観的な見方が多いと言うことや株価(指数)が下落基調にあることから、マスコミ等も悲観的な見方に迎合しているように思えるのだと思います。ただ、何度もこのコラムで述べていますが、景気が悪くなる、悪くなると言っていると皆がお金を使わなくなり、本当に景気が悪くなると言うことと同じで、株が下がる、株が下がると言っていると下がるから売る、売るから下がるというような状況になってしまうのでしょう。

 本日の新聞でも某社のエコノミストが「世界経済が二番底となる可能性は10%、デフレに陥る可能性は15%ある」と指摘したと報じられていましたが、景気が悪化する、デフレになる可能性が10%とか、15%というのがあたかも「大変なこと」であるかのように報じられていました。ただ、常に10%くらいは景気が悪くなるという可能性はあるのでしょうし、逆に言えば90%は景気は悪くならない可能性と言うことになるのでしょう。

 株式相場が下がると、まだまだ下がるという向きも多くなるのは当たり前ですが冷静に判断することが大切だと思います。我々のような商売では弱気を言ってその通り相場が下落となると「当たった」と言われ、弱気を言って株価が上昇しても特に何も言われないのですが、逆に強気を言っていて相場が上昇すると「当たった」とも言われず、相場の上昇を喜ぶだけで終わってしまい、相場が下がると「外れた」といって非難されることが多いのです。ですから、実際に相場が上昇して来るまでは「弱気」を述べる向きが多いものだと思っておいた方が良いと思います。

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