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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

バブル礼賛

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 米国株が堅調、円高一服ということで買い先行となりましたが、景気の先行きに対して懸念が残っていることや外国人が引き続き大幅売り越しと伝えられたことから戻りも鈍く、戻りの鈍さを嫌気して一時軟調となるなど冴えない展開となりました。為替には方向感は見られず、好材料への反応も鈍いといった状況で上値の重い展開となりました。下値をむきになって売り急がなければならない理由もなく、かと言って買い急ぐ理由もないと言うことでしょう。

 いっこうに政府・日銀の方針が見えず、何をどうすればいいのか分からないという感じではないかと思います。何となく、欧米のユーロ安、ドル安政策を見ているとかつての「プラザ合意」の時を思い出します。為替レートの水準は当時とは全く異なるのですが「円高容認」と言うことでは同じではないかと思います。政府・日銀も円高を容認するのであれば、円高となることによるデメリット=輸出企業の収益の減少をどこでどのように補うのかを示すことが必要ではないかと思います。

 個々の企業は独自の努力で円高を克服しようとしていますが、自ずと限界があり、企業を守るために日本からの脱出などということもあり得ると思います。実際にタイで自動車を生産し、日本に輸入する、とかインドネシアで作ったものを中国で売るというような動きも出ていると思われます。また、円高だからと言って全ての企業業績が落ち込むわけでもなく、輸出企業の収益構造ですら従来ほど円高の影響がないものも多く、もう一度円高のメリットとデメリットを考えて見るのもいいと思います。

 また、円高が全て悪いわけでもなく、円高のメリットをもっと考えて見ても良いのではないかと思います。海外からの輸入物価、原料は安くなるわけで、内需を活発にすれば「悪い話ばかりではない」と言うことだと思います。「プラザ合意」の時のように内需拡大を図るということも良いと思います。人口が減少する中で、「内需拡大」も難しいと思いますが「安ければ良い」という意識を少し変えて見るだけでも違うかもしれません。

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