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IT業界でベンチャービジネスの支援をしている執筆者が日々の活動ログと感じたことを、徒然なるままに書き綴っていきます。

起業は片道切符、起業したらなかなかサラリーマンには戻れない

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起業って、本当に片道切符だと思います。

人生もそもそもそうなのだと思うのですけど、昔には戻れないです。起業してよかったことのほうが多いですけど、それ は今うまくいっているからです。一方で失うものも結構あります。当たり前だったことがなくなり、まるで違う世界で暮らしているような感じでしょうか。

無人島に行って、一人で生活する基盤を作る感じでしょうか。

そういう状況を楽しめる人でないと、絶対に向いていません。
常に安定した精神状態で、ピンチの時に冷静に力を発揮できる人でないと、やめたほうがよいかもしれません。

気が付けば、起業して4年がたとうとしています。まだ4年なのか、もう4年なのか、よくわからないですが、とりあえず、何とか続いています。

きっと、起業した時、周りの人たちは「あぁ、吉政さん、転職しすぎてとうとう行くところがなくなって、起業したんだなぁ」と思った人が多かったように思えます。

起業前に、いただいたオファーが、超ハイリスク・ハイリターンばかりとなり、「これは続かないなぁ」って思いました。ここで、その世界に行ったら、私の実力では長く続かず、いよいよ職がなくなるところになると思ったのです。

気が付けば起業する前に、すでに片道切符だったんですね。

私は転職しすぎました。転職によって得たものも多かったですが、失ったものもの多いのです。失ったもののうち、ほとんどがもう、手に入りません。

仕事が終わって、上司と飲みに行って、説教してもらったり、仲間とその会社将来のことを語ったり、有給で1週間休み取ったり、もうそういうのは私にはないでしょう。

年を取れば起業しようがしまいが、失うものもあります。大人になれば、もう子供時のようなことはできないです。そう考えれば、何かをしてもしなくても、失っていくのかもしれません。

どうせ失うのであれば、自分に合ったものを得ていきたいです。私は全ての人に起業を進めません。向いていれば、どの道でもよいのです。

武士道では、「如何に自分を活かすか」ということが書かれています。

自分を活かせる道は何なのか、何が好きで、何が得意で、何で対価をもらえるのか、突き詰めていくと奥が深いです。もしかしたら、起業とはその探求の実現なのかもしれません。

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