ETロボコン東海大会開催される ~完走率は44.7%~
7月12日(土)、13日(日)に今年のETロボコン2008の地区大会のトップを飾る東海大会が静岡芸術文化大学で開催されました。
私も少し運営のお手伝いをしがてら、今年のETロボコンの状況を見学してきました。
競技会場は、大学内の講堂で、そのステージ上にコースを配置して実施された。ETロボコンにとって、成績を左右するといってもいいコース上の光の状況は、完全に外光を遮断できる環境であったので、比較的安定した環境であったため、完走するチームが多いのではないかと期待できるものであった。
実際に、競技結果を数字でみてみましょう。(下記の結果は、私の方で独自に収集した結果のため、公式結果と若干異なる場合がありますのでご了承ください。)
イン | アウト | 合計 | |
平均タイム | 52.8 | 47.8 | 50.1 |
最速タイム | 41.5 | 39.3 | 39.3 |
完走チーム | 19 | 23 | 42 |
完走率 | 40.4% | 48.9% | 44.7% |
リタイアチーム | 18 | 15 | 33 |
失格チーム | 3 | 2 | 5 |
棄権チーム | 7 | 7 | 14 |
ゴール後停止成功チーム | 4 | 4 | 8 |
ゴール後停止(バック)成功チーム | 1 | 0 | 1 |
ショートカット成功チーム | 0 | 1 | 1 |
Wループ成功チーム | 11 | 2 | 13 |
Wループショートカット成功チーム | 4 | 1 | 5 |
ドルフィンジャンプ成功チーム | 2 | 0 | 2 |
まず走行タイムについては、1チームだけ40秒を切って39.3秒をたたき出した。その他も、40秒台前半のタイムが多く、非常に高速走行するチームが目立った。
完走率は44.7%であったが、棄権チームをはずして計算すると52.5%とこれまでの大会とほぼ同程度の結果となった。
ボーナスポイントを獲得できる難所については、ゴール後停止は予想以上に少ない成功数となっている。これは、今年からゴールラインを大きくオーバーして戻ってくるとボーナスポイントが少ないため、一か八かゴール後停止を行い、万が一ゴール前で止まってしまったことを想定して、その後、前に進むというチームが多かったようである。そのため、ゴール後停止を狙ったチームは他にも数チーム存在したが、ゴール後停止エリアを少し越えて止まってしまいポイントをもらえないという光景を何度か見かけた。
今年から新たに設けられたダブルループは、13チームが少なくとも1回はループを成功させていた。2周それぞれで2回の回転を成功させたのは、唯一3チームだけであった。果敢にダブルループを狙うものの、1周目はうまく回れたのに、2周目はダブルループのマーカを検知できずそのまま通常ルートを通っていくというチームもいくつか見られた。灰色のマーカ検知の精度がかなり問われる難関だったのだろう。
また、ダブルループ部分について、ループを回らずにそのまま素通りをすることで、いわばショートカットすることも可能である。そのような走りをしていたチームが5チームいた。これは、狙ってそのような走行にしたのか、あるいはループさせようとしてうまくマーカを検知できずそのまま突っ切ってしまったのか不明だが、これも一つの戦略かもしれない。もちろん、ダブルループで無限にくるくる回り続けてリタイアしたチームも存在していた。しかし、多くのチームがリスクを冒してまでも果敢にダブルループにチャレンジする精神はとても感銘を受けた。
その他、気づいた点としては、今年から少しリニューアルされた点線ショートカットについては、見事走破したチームは1チームしかなく、ショートカットを攻めたチームも数チームしかいなかった。参加者にとっては、ボーナスポイントの割りに、ハイリスクなところがショートカット離れにつながったのかもしれない。
また、スタート直後にショートカットを行う通称「ドルフィンジャンプ」について、今年からはその場所に障害物を置く可能性があるとだけしか告げられておらず、当日にならないとその場所が判明しないというルールに変わった。実際に、コース上には障害物として押しピンが並べられ、車体が1台通れるくらいの隙間しか設けられておらず、ほとんどのチームがドルフィンジャンプをあきらめていた。そんな中、2つのチームはドルフィンジャンプを織り交ぜてきたのである。とはいっても、先ほどの車体が1台通れる部分ではなく、第1コーナを曲がった後にドルフィンジャンプを行う方法で成功させていた。今回のルールから言って、事前に準備ができる最もリスクの少ないドルフィンジャンプの方法だったように思う。
午後2時に開幕した競技会も約3時間ちょっとの熱い戦いの末、無事東海大会は終演を迎えた。
昨年と違い、地区大会の次はチャンピオンシップ大会であり、東海大会では上位6チームしか進出できないとあって、どのチームも何らかの難所を挑戦する積極的な走行が多かったように思う。これぞETロボコンの醍醐味を感じられた大会であった。
大会で当初の力を発揮できたチームも、そうでないチームもご苦労さまです。ぜひ、今後も継続してETロボコンに参加して、上位を目指すことを目標にチャレンジし続けていこうという技術者が一人でも多くいてくれるとうれしい限りです。
今後、ETロボコンは、8/31に東北大会、9/7に九州大会、9/13-15に関東大会、9/20-21に関西大会が開催されます。ぜひ、興味をお持ちいただいた方は、お近くの地区大会にぜひご来場ください。結構、手に汗握る競技にいつの間にか取り込まれてしまいますよ。