Lotus Spring Forumにおいて・・・
かなり時間が経ってしまいましたが,3月に開催されたLotus Spring Forumの様子をご紹介しておきます.
3/7に大阪で開催されたLotus Spring Forumで,ノーツコンソーシアム主催のパネルディスカッションを行いました.
オンキヨーの金井さん,キーウェア西日本の浅居さん,CSKシステムズの金田さんにパネラーとして参加いただき,今年の夏にリリースされるNotes/Domino 8のベータ版をご覧頂いたファーストインプレッションを語っていただきました.
・テーマ1:リッチクライアントは如何なるものか?
ND8は,従来型のノーツクライアントである「Notes Basic」と,リッチクライアントである「Notes Standard」が提供され,後者のリッチクライアントがいわばND8の大きな売りとなっている.パネラーの皆さんはこのリッチクライアントをまずどう受け止めたのだろうか?
パネラーからは,
・リッチクライアントの優位性が不明
・他システム連携・融合(コンポジットアプリケーション)に魅力
・「リッチクライアントになったらWeb化しなくてもブラウザ利用できるの?」という質問がでるのでは?
といった意見が出ました.
現時点では,まだリッチクライアントというものがいったいどのような利益をもたらしてくれるのかが事例も少なく理解しづらいといったところかもしれません.コンポジットアプリケーションによるアプリ間連携が実現する世界がもっと身近になればリッチクライアントの優位性が実感できるのでしょう.また,リッチクライアントの誤解の一つとして,Webに置き換わるものという認識をされている方がいらっしゃるというところでしょう.利用者はWebブラウザだけでリッチな環境を手に入れることができるという誤った認識をとくためにも,引き続きリッチクライアントとはどういうものかを広報していく必要があると感じた.
・テーマ2:ND8の注目の新機能は?
ND8には,リッチクライアントという大きな変革だけでなく,様々な機能追加と拡張が行われています.メールの送信取り消し機能,不在通知のサービス化,Open Documentを扱うことができるPriductivity Toolなど...
なかでも各パネラーが共通して印象に残った新機能として挙げたのが”HTTPロックアウト”機能です.Webアクセスの認証時に繰り返しユーザー名,パスワードを間違った場合にそのアカウントをロックアウトして利用できないようにする機能である.やはり,Webクライアントで利用するユーザーも多くなり,需要が高まってようやく追加されるということで皆さんの関心が高かったものと思われる.
また,メールの取り消し機能については,既存のユーザに対しては混乱を招きかねないということで,適用には事前のルールをしっかり決める必要がありそうだが,新規導入ユーザであればすんなり受け入れられるのではという意見もあがった.
・テーマ3:ND8の導入する価値は?
まだ現時点では,新バージョンに関する豊富な情報がないため,手放しで即導入とはいかず,まずは情報収集からという意見が各パネラーからでました.その中でも,スペック的な問題,Notes BasicとNotes Standardの使い分け,コンポジットアプリケーションを進めるにあたってJavaの開発文化のない企業にいかに訴求するかといった点が今後の課題という意見が出ました.
最後に,各パネラーの方々にND8の総合評価を100点満点でつけていただきましたが,その結果平均して70点という結果でした.製品リリースまでには,先ほどの課題が克服され,より評価の高い製品として登場することを期待したいです.