Sun Software Showcase 2006 & ブロガーズミーティング
12/8(金)の午後にSun Microsystems社の用賀オフィスを訪れました.
この日は,「Sun Software Showcase 2006」というカンファレンスが開催され,あわせてこのオルタナティブブログのブロガーズ・ミーティングも開催されるため参加してきました.
オフィスは,26F・27Fに位置し,四方八方見渡す限り眺めがよく関東一円を眺望できるとってもすばらしいロケーション.高所恐怖症の方には窓際はつらいかもしれませんが,高所大好きなオノボリさんな私にとっては,窓にから見下ろす景色は絶景でした.
また,26Fから27Fが吹き抜けになっており,26Fはさまざまな製品やソリューションの展示ブースになっていました.
私はこれまでいろいろなITベンダーさんのカンファレンスに参加してきたのですが,そういえばSun Microsystemsさんは初めてだったので非常に楽しみでした.日頃まったくSun Microsystems社の製品を使っていないわけではなく,JavaやSolarisなどはよく利用しますので馴染み深いのですが,恥ずかしながらそれ以外というと...「SPARC」,「Duke」くらいしか思い浮かばず.この際だからしっかりその他の製品も勉強して帰ろう.
冒頭,基調講演の中で,「サンのソフトウェアビジョンと戦略」と題して,おおまかな概要を聞かせていただきました.
「The Network is The Computer」
Sun Microsystems社が創業してから,24年間変わらず言ってきたビジョン.ネットワーク・コンピューティングに関する製品,戦略を絶え間なくこの世の中に生み出しているということがよく伝わってきました.
また,「System/Storage/Software/Services」といった4Sという戦略を掲げられ,今後ソフトウェアやソリューション関係の強化も図られるということだ.その一つの試みが,今回のカンファレンス開催につながったようであり,どちらかというとソフトウェア寄りが好きな私としては,願ってもない話です.
その後,「Javaコアテクノロジーの最新動向」と題したセッションで,間もなくリリースされるJDK6に関する話題が聞けました.私もJavaでの開発はよく行うので,非常に興味深い内容であった.実際,次期バージョンではどういったところを強化しているのだろうか?セッションの中では以下の6点をあげていた.
・互換性の維持
・開発を簡単に
・管理と監視、障害解析
・エンタープライズ・デスクトップ
・XMLとWebサービス
・開発の透明性
業務アプリケーションとして当たり前のようにJavaが利用されている現在,運用面での機能強化は非常にありがたい.現状のバージョンでも少しずつ含まれてきたが,アプリケーションの監視や障害解析(メモリ不足,メモリリーク,ファイナライザー,デッドロック,無限ループ,頻繁なロックなどを監視できるらしい)の機能は楽しみでる.
また,Webサービスの開発が非常に容易になることもデモを交えて紹介していた.Javaのソースコード中に「@WebService」などのアノテーションを付加し,wsgenコマンドを利用することで,Webサービスに必要なファイル等を生成してくれるというものだ.どちらかというとWebサービスとなると敷居が高いという印象があるが,デモを見る限りではかなり生成しやすくなっており,機会があれば試してみようと思えた.
さて,カンファレンスの方は3つめのセッションが始まろうとしていた頃,ブロガーズ・ミーティングが開催されました.Sun Microsystems社から最新動向ということで,シンクライアント,プロセッサ,RFIDに関する話を紹介していただきました.
まず最初にシンクライアント.Sun Rayという名前で商品化されているものです.正直,私はファットクライアント大好き人間でして,常に使い続けているNotesクライアント(この原稿もまずNotesでおこしています)に代表されるようにそのマシンさえあればすべてOKというのが理想と思っています.なので,「シンクライアントじゃ仕事にならね~」というのが私が勝手に思い描いていたものでした.
しかし,実際のデモを見せていただくと,結構会社で使うマシンと割り切れば「かなり便利かも」と思ったり...(結構,影響されやすいタイプかもしれない)圧巻は,ICカードを別の端末に挿せば,以前のマシンの状態から利用できるという点だ.いま現状の私を考えると,事業所内で会議を行うとなるとノートPCを持ち歩き,事業所外だと端末を借りてWebアクセスしていたりすることを思えば,ICカードだけ持ち歩けばどこでも同じ環境で利用できるというのは便利だと感じました.写真のようなノートPCのSun Ray試作品なんかも見せていただけました.
あと,斬新なデータセンターとして「PROJECT BLACKBOX」は非常に度肝を抜かれました.データセンター開設に必要なものを丸ごとコンテナでどかんと提供しますというもの.これからのIT技術者は,IT資格とあわせて大型免許が必要かもしれませんね(笑)
2つめの話題はプロセッサ.私にとっては,「プロセッサは動いてくればよし」という考えで,これまた正直あまり細かいところまで調査したことはありませんでした.UltraSPARCにも様々な種類があるのだなあと聞きつつ,「UltraSPARC T1」は8コア、32スレッドで稼働させることができ,一世代前のプロセッサに対し15倍程度のスループットが出せるというようなことを「へぇ~」と思いながら聞いていました.
「このプロセッサは消費電力が80W未満と少なく,80℃以下の発熱なので,マシンにはファンがついていないのですよ~」
ええっ,そうなんだあ.この話題の一番の驚きでした.
今後も,プロセッサの成長は絶え間なく進んでいるようなので,低消費電力の構成のプロセッサに期待したいところです.
3つめの話題はRFID,無線ICタグの話.あまり時間もなく要所だけの紹介でしたが,私自身は結構興味のある分野で,会社で簡易的なキットを購入してもらって以前試した経験があります.しかし,いっときよりも騒がれなくなってきたという感はあり,だいぶ入るところには入ったからだろうということだ.このRFIDについては,特に技術だけでは導入は難しく,どのような場面で利用するかソリューションが重要になってきますね.
今回は,在庫管理システムのデモを実際に見せていただき,社内外のシステム連携を容易に行うSun Java CAPSについても紹介いただいた.
仕組みとしてはかなり作りやすくなったが,やっぱり使う場面を考えるのが難しいですね...
ということで,今回はSun Microsystems社で開催されたSun Software Showcase 2006とブロガーズミーティングの紹介でした.普段,あまりハードウェア寄りな部分を意識していない私にとって,ブロガーズミーティングの内容はとても新鮮で楽しかったです.ハードが向上するとソフトもより良いものが作れるので,今後はプロセッサの発熱量にも注意してみていきたい(笑)
最後になりましたが,今回は非常にたくさんの情報を提供いただきましたSun Microsystems社の皆様ありがとうございます.また,このような場を設けていただきましたITmediaの皆様にも感謝します.