非ロジカルで困った社員が、「ロジカル・プレゼンテーション」を読んでみた
ロジカル・プレゼンテーション
~自分の考えを効果的に伝える
戦略コンサルタントの「提案の技術」~
高田 貴久氏
コミュニケーションにおいて、上司やクライアントを困らせることが多かったので、
なんとか論理的に物事を伝えるスキルを身につけなくては、と思って購入した本です。
無駄な飾りがなく、でも体系がしっかりして、非常に読みやすいです。
自分の一部となるくらい、何度も参照したい1冊です。
今回のエントリーでは「第一章 提案の技術とは」を要約。
■毎日が提案の連続-------------
ビジネスではもちろんのこと、日常を振り返ってみても
「提案をしなければならない局面」に立たされることは多い。
ビジネスシーンでは
「うちの製品を買うべきです」
「この技術を開発すべきです」
といった提案をしているし、
ビジネス以外では、家族に対して
「今年の夏は沖縄に行こう」
「ボーナスで新しい洗濯機を買おう」
といった提案をしている。
(最近社内でよく耳にするのは
「(奥様に向かって)iPadを購入すべきです」という提案)
提案力のある人は自分の思惑どおりに事を進められる場合が多いが、
提案力ない人は他人に押し切られてしまい、自分の意思が通らず、結果
として損をすることも少なくない。
「提案力」はすべての人にとって必要不可欠な基本能力なのである。
■提案は意図して通すもの-----------------
提案とは、通さなければ通らない。当たり前の話ではあるが、意識されて
いない場合が少なくない。
提案が通ることが前提になってしまうと
「うちの部長は、部下の話を聞かない」
「うちの社長は慎重すぎで決断力に欠ける」
「今回の案件が取れなかったのは、運が悪かったからだ」
という考え方をしてしまう。これらのコメントの中に「自己反省」はなく、
全てを相手や周囲の環境のせいにしてしまっている。
では、これらの提案が通らないことを前提に発想するとどうなるだろう。
「部長が話を聞いてくれないのは、自分の説明が悪いからだ」
「社長が決断できないのは、決断に足るだけの説明をこちらがしていないからだ」
「今回の案件がとれなかったのは、自分のお客様への提案が足りなかったからだ」
といった具合に、自分が何を努力すればよいのかという視点で前向きに物事を
発想するようになり、自己の能力に磨きをかける原動力となる。
■提案を紙に落とす-------------------
ビジネス上での「提案」は多くの場合、その場かぎりではないし、その相手だけを
対象にしているものでもないため、確実に紙に落としておく必要がある。
■紙に落とせば、考えがまとまる-------------------
言いたいことを紙にまとめるという作業は、単に資料を作成するという意味ではなく、
実は自分の頭の中を整理し、矛盾を解決し、的確に物事を考えているということ。
うまく紙に落とせるまで、考えに考え抜くことによって、自らの頭は鍛えられる。
■紙に落とせば、うまく説明できる----------------------
「うまく話せない」のは「そもそも何を話すべきかが分かっていない」ことが原因。
紙に落ちない主張は、いかに話術に長けていても、うまく説明できない。
プレゼンを成功させるための秘訣は話術の善し悪しではなく、事前準備がどれだけ
しっかりとできていて、どれだけ自分の頭の中が整理されているか。
「何をポイントとして相手に伝えるべきか」の見極めがどれだけできているかが鍵。
紙にしっかり落とす基本を踏んだ上で、説明の時間や相手の理解度に応じて、
それを要約・割愛するステップを踏むことが重要。
■提案力を高めるためには-----------------------
提案力があるとは、次の二つがそろっている状態
・適切に物事を考えること、
・それを相手に適切に伝えること
■適切に「考える」ための条件とは------------------------
前提となる二つのスキルと五つの検討ステップから構成される
・前提となるスキルは、過去の経験や背景知識を共有していない
相手に物事を理解させるための論理思考力(⇒来週以降にまとめ)
・上記のスキルを土台にして「仮説検証力で相手の疑問に答える」
ためのステップ。
■適切に「伝える」ための要件とは-----------------------------
前提となる二つのスキルと五つの検討ステップで構成される
・前提となるスキルは、議論をまとめるための会議設計力。
・上記を踏まえたうえで、「資料作成力で紙に落とす」ための五つの
検討ステップ
(メッセージ化、チャート化、スライド化、パッケージ化、マテリアル化)
(⇒来週以降にまとめ)
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実際に読み進めてみると期待を超えるものがありました。
逆に言うと、今までどれほど自分が非ロジカルであったかが証明された体験でも
ありました。ロジカルに伝えること、常に意識していたいです。
論理的思考力と資料作成力については、また週末にまとめたいと思います。