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事業グローバル化における戦略と人はどうあるべきか? そのヒントとなるべき考察と事例集

自社の強みを知るには?

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自らの強みを機会に活かせ*              

経営の父、Peter Drucker氏は、個人や会社とは弱みではなく強みに焦点を当て伸ばすことで、初めて成果を挙げると指摘しました。そもそも戦略の要諦とは、いかにして市場機会に自社の強みを活かすかです。弱みを見つけ克服するために時間を浪費するより、強みをさらに伸ばす努力をするほうが効果的でかつ成果が出ます。

では自社や自分の強みとはどのようにして知りえるのでしょうか。

よくあるSWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, and Threats)を行えば簡単に分かるかもしれません。ただしSWOT分析そのものは、何が自社の強みで弱みか教えてはくれません。判定基準がないため、どの特色を強みと弱みに置いたらよいかわからないためです。

代表的な方法が、競合他社とのベンチマークがあります。競合他社との業績比較から財務や生産性比較、ビジネスモデルの比較を通して他社と自社との違いを浮き彫りにすることができます。しかしこれらベンチマークで分かるのは違いや特色であり、強みか弱みか、それとも単なる違いかは判断ができません。そこで検討すべきは自社や自分の成功や失敗体験、なによりも潜在顧客へヒアリングが意味を持ちます。

自社における過去の成功や失敗を分析することで見えてくる強みもあります。例えばAppleのiPodやiPhoneなどの成功事例はビジネスモデルなどよりもCEOによるリーダーシップを強みとして実現したかもしれません。はたまた近年のGoogleの成功は、技術力そのものよりも、革新的技術を生み出す技術者優遇の仕組みにあるのかもしれません。自社の成功要因や失敗要因により強みや弱みを知ることができます。

他社との違いや特色が、社会において価値を提供できる強みたるものかどうかが大きな論点です。この論点を解くためには、自社の潜在顧客に自社や自分の強みが何か聞くしかありません。自社の価値を享受する顧客にこそ、自社や自分では知りえない強みが分かり得るのです。いかにして己の強みを知り、伸ばしていくことこそ、成果を出す秘訣なのでしょう。

出所) *「P・F・ドラッカー経営論」を参照

参考情報>新規事業策定支援サービス

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