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事業グローバル化における戦略と人はどうあるべきか? そのヒントとなるべき考察と事例集

グローバル富裕層の考察 - Who is high class? -

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最近はやりの富裕層マーケティング。

土地やITバブル等で生まれたニューリッチ層を富裕層としてターゲットし、生まれながらにして富裕層とは異なるマーケティング手法が見られます。ただし、これは日本独自の傾向ではなく、グローバルでも同様な傾向があるようです。

2008年のCapGeminiとMerrill Lynchにて、グローバル富裕層の分析として、World Wealth Report 2008が公表されました。(AFPBBNews2008年6月25日)

当レポートによると、国別ではインド・中国・ブラジルは過去最高の伸び(前年比6%増)として、地域別では地域別にみると、富裕層が最も増加しているのは中東地域(前年比15.6%増)で、東欧(同14.3%)、中南米(同12.2%)と続いています。また、富裕層がHNWIs(High Net Worth Individuals)として、1 million USD(約1億円強)以上の資産価値を持つ個人と定義し、その上を行く30 million USD以上の超富裕層をUltra-HNWIsとして定義し、その数の推移と一部嗜好を分析しています。(オリジナルの”World Wealth Report 2008"はこちら)

Global_wealth_ratio_in_japanese ちなみに小生の分析だと、国別での全人口比の富裕層の割合は、0.01%-1%がレンジとして見れます。先進国では0.1-1%のレンジ、新興国ではぐっと下がり0.01-0.1%のレンジで分布しています。

先進国日本では、米国同様、全人口の約1%くらいだと推定されます。
グローバルでみれば、今後新興国の富裕層の数と資産金額の伸びが、大きな市場機会とも言えそうです。

ではなぜ1 million USD以上の純資産が富裕層なのでしょうか?

おそらく、当レポートは証券会社の視点で富裕層を想定したからだと推察されます。
例えば、小売会社の視点から富裕層を見ると、年間の購買金額が300万円以上の方を富裕層としているところもあります。また同じ証券会社でも口座に一千万円から数千万円の預かり資産がある個人を富裕層と定義してたりします。(フジサンケイ2008年6月、富裕層めぐり囲い込み競争)

要は富裕層マーケティングと言う時点で、個々人によってその富裕層に提供する特定の商品・サービスが想定されているのです。なので、前記のレポートとは、金融機関の視点からみた富裕層分析レポートだといえます。

次回は米国の富裕層の動き簡単に述べてみます。

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