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コンテナ物語を読んで その① 起業家と経営者の違い

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本屋さんに平積みされていた本を衝動買いしました。いつもは買う本をリストした上で購入するため、リストの本だけを購入するのですが、タイトルと帯に惹かれてついつい買ってしまいました。

この本の内容は、今では当たり前になっているコンテナ輸送がどのように導入されて、どのような経緯で今のように普及したかというドキュメンタリー風の著書です。買ってしまった理由も、今では当たり前のコンテナ、それも世界標準であり、グローバル流通の基盤となっていますが、当たり前に成りすぎてどのような経緯で誰が導入し、普及し、さらに標準が出来上がったのか興味を持ったからです。

本をごらんいただくと解りますが、実はコンテナ輸送を発明(と言えるかどうか微妙ですが)した方は、トラック運送業者のマルコム・マクリーンという人です。海運が中心だった時代に何故トラック運送業者が、という疑問もありますが、海上・陸上を含め世界で活用されるコンテナが一トラック運送業者によって広められたか疑問を持ちます。(トラックだけでなく鉄道も輸送の主体ですし、以前は鉄道と海運が中心で、現在のように航空とトラックはそれほど輸送手段の主流ではなかったはず、という前提で)。

マルコム・マクリーン氏は、真の起業家だったようで、まずトラック運送業者として成功するまでも起業家のサクセスストーリーを地でいくような経緯をたどり、ある日陸運と海運の効率化を考えコンテナを着想し、結果として財産をはたいて海運へ乗り込み、規制と既存権益と戦いながら、コンテナ輸送を普及させています。感覚的で申し訳ないのですが、ソフトバンクの孫さんとカブって映ります。

マルコム・マクリーン氏も、経営の途中で、RJレイノルズと資本関係を持ち、大企業の取締役としても仕事をしていたようですが、最終的には決別しています。後にその時のことを語っている言葉は「要するに私は起業家で彼らは経営者だった。経営者の集団に起業家を入れるとろくなことにはならない」です。

起業家は常にリスクをとって新しい目標を追い求めていくタイプであり、経営者としてプロであってもそれでは起業家でありえないし、逆に起業家であっても経営者としては未熟であったりもするということでしょうか。

マルコム・マクリーン氏の一生を追うことで、真の起業家の姿の一例を見た気がします。今巷にいらっしゃる”起業家”は本当に起業家であるのか、という疑問を持つとともに、「いったい自分は、経営者と起業家、どちらの道を徹底して歩もうとしているのだろうか」という自分自身への疑問も誘発しました。

この本では示唆が多いので、数回に分けて投稿します。

Comment(1)

コメント

福原祐実

コンテナという形態に何かひとつの「集合論」的な要素を想像します。ひとつのパーツを媒介し他のシステムにエスケープするツールのイメージですが。箱を媒介として見立てた場合、可能性は無限大に拡がるような感じです。(ビジネス論とまったくかみ合っていませんが^^:)

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