新しい編集力

コンテンツの鍵となる編集力に関して、明解に語っているコラムです。
「ノーブランドのメディア」はブランド品に勝てる？

これから、出版社などのメディア企業が抱える頭痛の種は、今後競合する相手が自分たちと似たような企業ではなく、1人か、もしくは数人くらいまでによってローコストで運営されるメディアとなります。

ウェブの地平に表出すれば、もはやそれはメディアであり、そのメディアには個人だろうが法人だろうが、出版社だろうが八百屋さんだろうが、区別する意味がなくります。換金化手段も、多種多様になるでしょう。

これまでは、「出版社、ないしはその他メディア関連企業に入社した」がメディアにおける特権的な身分を保証したかもしれませんが、凡庸な企画しか出せず、文芸といえば村上春樹くらいしか読まず、他言語に通じているわけでもなく、プロデュース能力やマーケティング能力に長けているわけでもない「凡人」サラリーマンのつくるメディアよりも、業態こそ違え、社会経験豊富な専門家の送りだすメディアのほうが魅力的な時代です。

今後は、これらをスクリーニングすることが、人力、つまり編者の力となるかもしれません。しかし、それをスクリーニングするべきメタな視座というものを担保するのは、悲しいかなブランド力や、既存出版社なりのステータスとなりますが、ここもオールドメディア企業が惰眠を貪っている今こそノーブランドでも頭角を現せるチャンスといえましょう。