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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

突き抜けなかった限界論ミーティング

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28日18時から、第8回OBII(Otemachi Business Innovation Institute)ミーティングに参加しました。「突き抜けろ!限界論」というタイトルは勇ましかったのですが、盛り沢山過ぎて、パネルやパネラーの限界を感じるイベントだった、と思います。社会人経験の浅い方には、刺激を与える部分もあったかと思いますが、限界ということに関する切実感はなかったと思います。以下、参考になった部分など。

第一部は、日本型マネジメントと組織。
産学連携のお仕事をされている田畑さんは、スモールビジネスの話をされていました。テレビを見ない、食べ物に気を配る、という視点は面白かったと思います。NTTドコモからMixiに転職した原田さんは、脱物質主義を強調されており、その部分に関しては共感を覚えました。ただ、社会構造的で演繹的な話が多く、世の中のことは全てお見通しモードでした。それだけ物事が見えていると、ドコモを退職するという決断になるのかな、と思いました。石黒さんの話は、一番現実感のある話で、エンジニアの重要性やオープンソースの思想を取り入れることに関しては、首肯できる意見でした。

第二部は、ブログ。
結論は、気楽にやるという、たわいも無い話でしたが、女子大生ブロガーのはあちゅうさんのストレートな発言がとても印象に残りました。ネットの世界でブロガーで生き残るには、素の自分を出すスキルが必要かなと思いました。サイエンスライターの内田さんの視点も新鮮で、女性の感性をいかに取り込んでいけるかが、限界突破につながるのかな、と思いました。小飼さんの切れ味は、イマイチでした。

第三部は、メディアとプラットフォーム
山本さんの話は、経験を踏まえた含蓄のある話で、啓発されるものがありました。徳力さんは、パネラーなのにコーディネータになっていました。森さんの話は、奇を衒った感じですが、よく考えると内容のない話でした。佐々木さんの冗長な表現は、野村総研なみに賞味期限の短いキーワードにしか聞こえませんでした。

全体的にネット偏重の感が強く、ネットだけが変わってもたいして世の中変わりません。ネットの浸透でグローバル化は進む訳で、アメリカのプラットフォームに乗っていることは限界でもなんでもなく、そういう了見の狭さが問題なのかな、と思いました。ダイバーシティに関するエントリーでも述べましたが、異質のものを受け入れる寛容さが次代の革新力を育んでいくものと思います。11月のRTC(ブログ限界論)に比べると、数段格落ちのミーティングだった、と思います。

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