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アフィリエイトの心

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佐々木俊尚さんの最新作、「ネット未来地図」(文春新書)を読みました。20の論点、それぞれ鋭い視点でしたが、特にアフィリエイトやメディアの役割に関しては、いい気づきを頂きました。

「アフィリエイトは単なる金儲けのツールから、価値を共有するグループの提携プラットフォームへと変わっている。(中略)アフィリエイトも情報の価値に応じた報酬の配分になる。情報価値と報酬額の、相関関係が生まれてくる」(196ページ、リンクシェア・ジャパン花崎社長の話)
アフィリエイトは、単なる経済的なつながりだけではなく、価値観の共有に発展していくと思います。紹介する方も、本当にいいと思うものを紹介するし、アフィリエイターは一人の人格としてブランド化していくと思います。

「新たな世界においては、コンテンツそのものにこそ優位性があり、コンテナーの優位性は減衰していく。コンテンツはオープン化され、さまざまな媒体によって広く流布されていくことになる。その媒体が地上波なのか衛星放送なのか、あるいはインターネットやDVDであるのかは問われない」(132ページ)
TV局や新聞社の捏造は、コンテナー力の濫用と捉えることができるでしょう。本来重要であった番組制作能力や取材力が減退していくようでは、コンテンツ力で勝負が求められる時代では生き残れません。逆にコンテンツ力があれば、いろんなコンテナーを使ってのコンテンツ流通が可能になり、それこそが収益力を生み出すことになると思います。

他にも、旬なテーマがふんだんに取り上げられていて、とても面白かったです。ニコニコ動画に関しても、「視聴者がCMを入れることができるTV局」という小飼弾さんのブログの一節が引用されていました。

佐々木俊尚著「ネット未来地図」(文春新書)

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