会社の先輩は「あなたのために」教えてくれるわけではない。
風薫る5月になりました。
僕自身は、管理職になって4年目の4月を迎えましたが、まだまだ至らないところがあるようで、4月はバタバタ、さらにバタバタ、やっつけ仕事でこなしていくうちに過ぎてしまいました。桜を気にする余裕もなかったですねぇ...(苦笑)
そんな4月は、新入社員が入ってくる月。勤務先のZ会にも、元気で、そして頑張り屋さんの新入社員が何人も入ってきました。
このブログをご覧になっている方もいらっしゃるようなので(笑)、5月、再度気を引き締めてもらうために、新入社員向けにメッセージを1つ。
会社の先輩は「あなたのために」教えてくれるわけではない。
と。
僕自身、社会人になってからも、仕事上&若い人が好きでたまらない性格上(笑)、大学生とも付き合いが多いのですが、自社に限らず、大学生が「新入社員」となっていくさまを、これまで幾度となく見てきました。
その一部として
「会社の先輩は、自分のために、いろいろと教えてくれる(はず)。」
と、過大な期待を抱いている方を見てきました。
これは断言します。違います。
僕が後輩に、そして部下に、「教える」のは、あくまで会社の戦力になってもらわないと困る、という視点からです。部下指導の場合、その視点において、の「教える」義務も発生しますしね。
それが結果的に、社会人のノウハウをためることにつながり、その後輩(部下)のためになることはあっても、最初に「その人のため」があるわけではありません。
もちろん、人間ですからね、普通に、その人のためになると嬉しい、という気持ちは持っていますし、結果としてみたとき、後輩(部下)のためになるようにしないと管理職失格なんですが、後輩(部下)が、もし、「教えてもらって当然だ」という内心をもっていたとしても、その期待!?に応えるつもりはありません。
組織の一員としての寄与度を大きくしていくように、後輩(部下)に関わるだけで、その中には最初「教える」という形式的行為が多く含まれますが、それは「その人のため」ではなく、「組織のため」が先です。
その前提の下、組織の(悪い意味での)歯車にならないような社会人としての自立した人格形成を「指導法」の工夫によりうまく導いていく、という順序です。
会社というハコは、ノウハウを身につける「環境」や「機会」を精一杯整えているだけで、会社に所属するからと言って勝手にノウハウがたまるわけではありません。
たとえば、Z会に入社すると、いつのまにか、東大クラスの入試問題の作問スキルが身につく!なんてことはありません。
作問しなければいけない環境と機会があるだけで、スキルが身につくかどうかは本人次第。
受身の方にはこの上ない厳しい環境であることは間違いなく、一方で、主体的な方はどんどん成長できる環境ともいえます。
大学生のときは、先生から教えてもらえます。
大学生側がお金を払っているわけですから、当然です。
社会人になると、自分がお金をもらう立場になります。
だったら、本質的に、「教えてもらえる」わけはありません。
主体的な新入社員、そして若手社員には、自分は先輩として、存分に時間をとります。
成長できる環境も、機会も与えます。ときには辛くはあるものの、仕事を通じての自己実現を図ってもらい、加えて個人の、家庭の幸せも得られるように導きたいと思います。
きっと同じ教育を語る仲間として、会社の成長に貢献してくれるでしょうから。
ですが、受身の社員には...以下は省略しますね(笑)。
※本ブログはZ会ブログ「和顔愛語 先意承問」2014年4月30日の内容を一部修正し掲載しています。