逆襲の帰ってきたホームページビルダー17
ホームページビルダー(以下、hpb)と言えば、初心者から中級者まで広く使われているホームページ作成ソフトの定番です。
以前はIBMから販売されていました。今はジャストシステムのラインナップになっています。
来月10月5日にバージョン17が発売になります。バージョン17は、これまでのバージョンアップと大きな違いがあります。こちらが商品紹介サイトになります。以下、サイトと合わせてお読みください。
トップページからいきなり「hpbが入っていないPC・Mac・スマホからでも更新できる、新しいホームページを作ろう!」となっていることに驚きます。
これまではパソコンにインストールしたhpbでHTMLファイル一式を作成して、それをWebサーバーにアップロードする仕組みでした。アップロードの機能が自動化されている等の使い勝手は考えられていますが、パソコンで編集してサーバーにアップロードするのが基本です。
一瞬「hpbがついにMacに対応か」と思ってしまいました。実は全然違います。
バージョン17からブログ系CMSとして世界中で人気のWordPressに対応したのでした。つまり一度サーバーにアップしてしまえば、後はWordPressの機能でMacやスマホのブラウザからも更新ができるという話です。
サイトの説明が、
サイトを更新したいとき、今までなら「ホームページ・ビルダー」をインストールしたパソコンを立ち上げ、編集を行い、転送作業をして完了・・・と
とても長い道のりでした。それが、「ホームページ・ビルダー17」だと、インターネットにアクセスできれば、ホームページ・ビルダーがインストールされていないパソコンからでもブログ感覚で更新できるようになりました!
と、過去の自分を全否定するかのごとき内容です。HTMLエディタとしてのhpbは黒歴史の彼方に押し流されたような感があります。その他の新機能もWordPress前提の話ばかりです。
実は私はテクネコを設立した時にhpbを使って会社のサイトを自分で作ろうとして、見事に挫折したことがあります。hpbを使ってとりあえず手軽にサイトを作れるのはいいのですが、実用的でカッコイイサイトを作ろうとすると急にハードルが高くなると感じました。それでいろいろ見て歩いているうちに、世の中にはCMSというものがあって、中でもNetCommonsが良さそうだという結論に至ったのでした。
hpb17のビジネスパックには会社・店舗向けのWordPressのテンプレートが含まれます。既製品のデザインテンプレートを利用する際の面倒なライセンスの心配はありません。会社のちょっとしたホームページなら充分作れそうです。
さらにジャストシステムはオフィシャルWordPressサーバーのサービスを提供しています。hpb17のユーザは最大6ヶ月無料で使えます。私はここがジャストシステムの目の付け所で、ソフトウェアの売り切りからサーバー利用の月額ビジネスへのシフトを狙っていると考えています。実にうまいやり方です。
「今どきホームページを作るならWordPressとかのCMSを使うよね。今さらホームページビルダーでHTMLをいじっている時代じゃないでしょ。」という見方が近頃あると思います。長年バージョンアップを重ねて、HTML/CSSエディタの機能追加は頭打ちになった感がありました。
今回のバージョンアップで「ホームページビルダー vs CMS」という構図があっさり崩れてしまいました。「ホームページビルダー&WordPressの連合軍 vs その他CMS」の新しいゲームの始まりです。この連合軍は手強いです。
新しい援軍を得てCMS戦線に復帰するホームページビルダーを、久しぶりに買ってみようと考えています。