ビジネス書として読む「ねこタクシー」
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永森 裕二著「ねこタクシー」を読みました。テレビドラマですでにご存じの方は多いでしょう。
主人公は元教師のタクシー運転手。仕事にやる気がなく、営業成績は最下位。家に帰っても肩身が狭い。そんな主人公が、公園で野良猫「御子神(みこがみ)さん」に出会い、行きがかり上、タクシーの助手席に乗せて営業することになって、自分と周りを変えていく…
この本は小説です。中年男性の再起の物語、または様々な家族の再生の話として、普通に読んで充分楽しめます。エンディングはお約束の展開ですが、ちょっと泣けます。もともと猫好きなものですから、一気に読んでしまいました。
重要な登場人物(登場猫)である御子神さんの描写がいいです。御子神さんは人語をしゃべるわけでもなく、ただただ猫に徹しています。表紙になっている三毛猫は、本を読んだイメージよりかなりスマートな気がします。私のイメージでは、御子神さんはもっとデブな感じです。
一通り読んだ後で落ち着いて考えると、この本は、個人事業主がどのようにして他と差別化して売上を上げるか、サービスのイノベーションをどうやって起こすかを学ぶ、ビジネス書として読むのもいいかなと思いました。粗製濫造の成功本や自己啓発本を読むより、よほどためになりそうです。
猫好きな人もそうでない人も、読んでみると何か気づきがあるかもしれません。まずは難しいことは抜きにして、週末の読書にいかがでしょうか。
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